三菱ふそうトラック・バス(三菱ふそう)は7月16日、AIと機械学習を活用した配送計画自動化ソフトウェアを提供する米Wise Systemsと業務提携した。三菱ふそうが外部企業と業務提携を結ぶのは今回が初となる。

三菱ふそうは米Wise Systemsの日本国内パートナーとして、同社開発の配送計画システム「ワイズ・システムズ」の販売を2021年第4四半期より開始する。同システムは、FUSOブランド製のトラックに限らず、全てのブランドのあらゆる種類の車両で利用できる。

  • 端末に映し出された「ワイズ・システムズ」

「ワイズ・システムズ」は、ラストワンマイル配送プロセスを効率化するクラウドおよびスマートフォンベースのソフトウェア。AIと機械学習を用いて、配送オーダー、荷物、ドライバーや車両、交通状況といった配送に関連するあらゆる情報を取り入れることで、同システムのルート計画アルゴリズムが配送ルートやトラック、ドライバーを選定し、最適な配送計画を自動で作成する。

  • 車内での「ワイズ・システムズ」の使用イメージ

配送計画はドライバーの端末へ配信され、配送状況の追跡や進捗がリアルタイムで更新される。配送担当者は日々のルート計画に要する時間を短縮するだけでなく、車両の稼働や配送状況の可視化も行える。ドライバーはスマートフォンのアプリで、配送ルートを確認し、荷物の配達完了通知も送ることができる。また、荷物を受け取るエンドカスタマーも、荷物の配送状況のほか、受け取り日には荷物の到着予定時間を知ることが可能だ。

  • 全ての配送車両の運行状況をセンターで一括管理

  • 受領サインの処理も端末で可能に

「ワイズ・システムズ」の特徴は、AIと機械学習によって車両オペレーションに関わるリアルタイムのデータを継続的に学習することで、稼働率、パフォーマンスおよび顧客サービスを継続的に改善し、性能を高めていけるところにある。例えば、従来ベテランの配車担当者が長年の経験で行っていたルートの提案では、機械学習で頻繁に利用するルートなどをAIに学ばせ、配送回数を重ねることで効率的な配送計画の提案が可能だという。