宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」は12月5日16時30分頃(日本時間)、軌道制御「TCM-5」の3回の噴射を無事完了した。この運用により、同探査機の地球への落下は回避。この後、高度290kmあたりを飛行して、地球スイングバイを実施、新たな目的地となる小惑星「1998 KY26」「2001 CC21」へと向かうことになる。

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    TCM-5の完了を確認したときの管制室の様子。中央は喜びを爆発させる津田雄一プロジェクトマネージャ (C)JAXAイベントライブ配信専用チャンネル

再突入カプセルは12月6日2時28分27秒に、大気圏へ再突入する予定。はやぶさ2はその上空を並走する形で飛行しており、火球となって発光する再突入カプセルの宇宙からの撮影にもチャレンジする。

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    再突入したカプセルと上空を飛行する探査機本体のイメージCG (C)JAXA

初号機のときは、探査機本体も一緒に再突入したため、不本意ながらも感動的な演出となってしまった。しかし今回は、探査機本体の回避に成功し、予定通りカプセルのみの帰還のため、見える火球は1個だけになる。初号機と比べると“控えめ”な帰還ではあるものの、このただ1つの光こそが、すべてを予定通りに成功させた誇りの輝きである。