オリックス銀行は、京都大学iPS細胞研究財団(iPS財団)と遺贈寄付に関する協定書を締結。10月1日よりiPS財団専用の遺言代用信託商品「かんたん相続信託 <iPS財団遺贈寄附特約>」の取り扱いを開始したことを発表した。

同商品は遺言代用信託商品であり、個人の遺贈とは異なり、遺言書の作成や亡くなった後の手続きなしに、iPS財団に遺贈寄付を行うことができるというものとなっている。また、信託商材のため生前はオリックス銀行が運用した信託金の配当を受け取ることも可能となる。

iPS財団は「最適なiPS細胞技術を良心的な価格で届ける」を理念に京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の開発研究・医療応用に関する部門を分離して2019年に設立された公益財団法人で、安全性の高いiPS細胞を製造・備蓄し、全国の研究機関や企業に公平かつ適正な価格での提供を担うことを目的としている。

同財団の山中伸弥 理事長は、今回の取り組みに際し、「今回の“iPS財団遺贈寄附特約”を含むご遺贈では、実際に寄付者の方からのご支援をiPS財団が拝受するのは将来のこととなります。長期的な研究開発に取り組むiPS財団にとって、わたしたちの組織の将来を信じて、思いを託してくださる方がいるこということは、とても大きな心の支えになります。また、わたしたちのような新しい組織にとっては、皆様のあたたかいご支援は、これからの長く険しい道のりに新たな一歩を踏み出すための、大きな原動力でもあります。」とメッセージを寄せている。

今回のサービス開始は、オリックス銀行がiPS財団の理念に賛同した事や、60歳以上の単身者のうち42.6%が遺贈寄付の意思を持っていながら、実際に遺贈寄付を行った人の割合は1%程度という調査結果を鑑み、より遺贈寄付を誰でも簡単に行うことを目指したものとなる。

なお、今回のサービス開始にあたりオリックス銀行の浦田晴之会長は、「お客様の社会に貢献したいという思いと、iPS細胞を活用した再生医療を継続的に発展させていきたいというiPS財団、双方の橋渡し役を担えることを大変うれしく思う」と述べている。

寄付の文化が依然として低い日本において、手続きのハードルを下げたこの商材がどのような反響を見せるのか注目である。

  • 遺贈寄付に関する協定書を取り交わす浦田オリックス銀行会長(左)と菅iPS財団理事(右)

    遺贈寄付に関する協定書を取り交わす浦田オリックス銀行会長(左)と菅iPS財団理事(右)