先だって市場調査会社OMDIA(旧IHS MarkitのTechnology部門)は2020年第1四半期の世界の半導体企業売上高ランキングトップ10を発表したが、そこに日本企業はキオクシア1社のみであった。そこで、同社関係者への独自取材を実施、日本に本社を構える半導体企業に絞った売上高ランキングトップ10(実績に基づく確定版)が明らかにされた。

2020年第1四半期の日本半導体企業売上高トップ10

2020年第1四半期における日本の半導体企業のランキングトップ10は以下のとおりとなった(括弧内は2019年第4四半期の順位)

  1. キオクシア(旧東芝メモリ)(2)
  2. ソニーセミコンダクタソリューションズ(1)
  3. ルネサス エレクトロニクス(3)
  4. ローム(4)
  5. 東芝(6)
  6. 日亜化学工業(5)
  7. 三菱電機(7)
  8. サンケン電気(8)
  9. ソシオネクスト(11)
  10. 富士電機(10)
  • 日本の半導体企業売上高ランキングトップ10

    2020年第1四半期の日本の半導体企業売上高ランキングトップ10 (出所:OMDIA)

これらトップ10の売上高だけで、日本の半導体業界の売上高の86%を占めており、かつ11位以下の日本半導体企業の売上高すべてを合算させてもルネサスの売上高に届かないという。

2019年第4四半期の2位から、前四半期比10%増でトップに返り咲いたキオクシアは、世界ランキングでも10位に返り咲くなど、存在感を見せた。一方、前四半期1位であったソニーセミコンダクタソリューションズは、同24%減と大きく売り上げを落とし2位に後退。世界ランキングでもトップ10圏外となった。

また、前四半期11位に甘んじたソシオネクストが9位に浮上した一方、台湾メーカーに6月末までに売却される予定であった(実際は新型コロナウイルスの影響で手続きが遅れており、売却完了は数カ月後ろ倒しとなる見通し)パナソニックが代わりにランク外へと消える結果となった。かつて松下電器産業として世界の半導体企業売上高ランキングトップ10にも名を連ねていたパナソニックという名称が消えてしまうのは寂しい限りだ。

OMDIAの集計によると、2020年第1四半期の日本の半導体企業の売上高総額は、前四半期比6.3%%減の105.8億ドルであったという。世界の半導体企業の売上高総額が同2%減であったのに対し日本勢の減少率が高かったのは、日本半導体業界において好調な半導体メモリメーカーはキオクシアのみで、総額に占める半導体メモリの売上高の割合が比較的少ない上にソニーセミコンダクタソリューションズの売上高が、スマートフォンの不振で2桁のマイナス成長に転じたためである。日本の半導体企業トップ10社の売上高総額は、前四半期比6.2%減で日本企業全体の減少率とほぼ同じであったという。