隠し機能がバレるハプニング(?)も

この日、バンダイホビーセンターには、G-SATELLITEに関わっているJAXAの野口聡一、金井宣茂 両宇宙飛行士が訪問。金型工場や成形工場を視察したあと、山中氏、東京2020組織委員会の天野春果氏との意見交換会に臨んだ。

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    こちらは金型工場。ただ、今回は3Dプリンタ製なので金型は使っていない

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    左は初期の製品、右は最近の製品。右の金型は4色成形が可能となっている

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    続いて成形工場を見学。両飛行士とも説明を聞いて、熱心に見ていた

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    中では、多数のロボットが稼働していた。カラーもモビルスーツ風だ

高温に耐えられる素材としてHigh Tempを使うと聞いた野口飛行士は、「それでも再突入はできない?」と、アニメ上の設定に関連して質問。天野氏が「その議論はみんなでやったが、再突入を可能にする素材が難しかった」と答えると、「最初から議論に入れてもらえれば、もっと力になったのに……」と悔しそうだった。

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    意見交換会の様子。両宇宙飛行士からは、ときどき鋭い突っ込みも

塗装は一般的なアクリル塗料を使い、手塗りで行っているという。耐AOコーティングの話が出たときには、野口飛行士が「我々は船外活動を経験している。もし色落ちしても、船外に出て色を塗り直すというタスクをJAXAに追加してもらえれば、喜んでやりたい」と断言し、周囲を笑わせた。

サイズについて、1/200スケールという説明があると、金井飛行士がすかさず「1/144モデルを単純に縮小したのか、それともデザインも変えているのか」と、マニアックに質問。山中氏が「スケールに合わせて、頭や手の大きさも調整している」と答えると、「なるほど。そうだと思っていた」と、マニアックに納得していた。

事前の案内では、この日に公開されるのは試作品という予定だったのだが、急遽、フライトモデルを披露できることになったそうで、両飛行士の前でケースがオープン。ガンダムの目が光らないなど、一部の機能が未実装なものの、これがISSまで運ばれ、日本実験棟「きぼう」のエアロックから宇宙に放出されることになる。

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    ガンプラのフライトモデルはこの箱の中に…

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    ひたすらガンプラを眺める野口飛行士

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    開発中のため、ガンダムはまだ目が光らない

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    もちろん、後ろ側も精巧に作られている

説明の途中、野口飛行士がコントローラのボタンを勝手に押してしまい、首が回転する機能が明らかに。公式にはまだ「両目とバーニアが光る」ことしか発表されておらず、「押しちゃダメだった?」と聞く野口飛行士に、天野氏は「それは絶対に押しちゃダメなボタン」と苦笑いするしかなかった。

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    ガンダムとシャアザクの機能。オリンピックカラーでLEDが光る

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    野口飛行士の暴走により、シャアザクの頭の向きが変わった!

ところで、ファンとしてはこのガンプラを市販する予定がないのか気になるところだが、さすがにHigh Tempは特殊すぎるので、同素材のままでは難しいとのこと。ただ、素材を通常のプラスチックに変えて販売することについては、「今後検討したい」(山中氏)として否定はしなかった。