新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とエクスビジョンは、高速移動体を高速で画像処理できるリアルタイムシステムを工場などのファクトリー・オートメーション(FA)や検査ソリューションに組み込んで容易に応用するための新プラットフォーム「High Speed Vision Software Development Kit(HSV SDK)」を開発し、2018年1月下旬に提供を開始することを発表した。

新製品「High Speed Vision Software Development Kit(HSV SDK)」ハードウェア

新製品「High Speed Vision Software Development Kit(HSV SDK)」ハードウェア

NEDOの「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」の一環として、エクスビジョンは東京大学および複数企業とともに、高速画像処理のネットワーク化とフィードバックの実現およびリアルタイムシステムの実現を目指し、研究開発を進めている。

このたび、NEDO事業の成果をもと、エクスビジョンは、人間の眼では追うことが難しい高速移動体の高速画像処理を即座に可能とするリアルタイムシステムを、工場などの生産現場でFAや検査ソリューションなどさまざまな用途のシステムに組み込んで容易に活用するためのプラットフォームの新製品「High Speed Vision Software Development Kit(HSV SDK)」を開発、製品化した。

同プラットフォームは、1秒間に1000枚の撮像および画像処理が可能な高速ビジョンセンサーを用いており、この性能を最大限に引き出し、メインターゲットであるFAや検査に限らず、映像メディア、ヒューマンインタフェース、バイオ・医療、セキュリティ、自動車・交通、高速3D入力、高速ロボットなどの分野にも応用展開が可能となっている。今後、横断的な基盤技術となることを目指す。

今後エクスビジョンは、2018年1月下旬をめどに、同プラットフォームの提供を開始する。高速センシングでの対象物の検出と追跡による新しいリアルタイムシステムを実現することにより、工場などにおけるFAや検査を対象にその有効性を検証し、事業展開を目指している。高速画像処理によるリアルタイムIoTシステムによって創出される研究成果は、従来比約30倍(サンプリングレート)の性能を実現する。

なお、同製品は12月18日、WINDSネットワーク(Network for World Initiative of Novel Devices and Systems)がホテルグランドパレスで開催する「第5回WINDSフォーラム・セミナー」において、エクスビジョンから紹介される予定となっている。