ETロボコン2014チャンピオンシップ(CS)大会(画像1)では、デベロッパー(D)部門プライマリー(P)クラス、新設された同部門アドバンスト(A)クラス、そして2013年に新設されたアーキテクト(A)部門の3つが行われることになったのは、すでに説明した通り。CS大会でのそれぞれの参加チーム数は、D部門PクラスとD部門Aクラスが15チームずつで、A部門が10チームとなっている。

画像1。ETロボコンCS大会の会場はパシフィコ横浜の会議棟3階の会議室が使われている

まずはD部門Pクラスからだ。15チームの地区別の内訳は、北海道1、東北なし、北関東1、東京4、南関東1、東海2、北陸1、関西1、中四国1、九州1、沖縄2となっている。以前より出場しているチームもあるわけだが、これはチーム名が伝統として引き継がれているだけであって、チームメンバーが刷新されていてETロボコン1年目の選手のみで構成されていれば問題ない。2年目以降の選手のチームはAクラスもしくはA部門に挑戦する形である。

コースレイアウトを再度掲載するが(画像2)、2013年大会までと比べると非常にシンプルになっており、ゴールしやすくなったといえよう。かつては、シーソーに乗った状態でシーソーの板を水平状態にした上で1秒間その場停止、などといった目玉が飛び出そうな難所もあったものの、2010年頃をピークに徐々に難度は下げられている感じであり、それまでの感覚からすると、なにやら物足りない感じがあるほどである。本来、ETロボコンは初級エンジニアを中級以上にスキルアップさせるために経験を積む場としてスタートしたわけだが、ETロボコンと共に成長したエンジニアも含めて中堅以上も参加するようになってきたことがあるほか、実際に大会に参加するのは若手の初級エンジニアにメンバー交代していたとしても、企業チームとして長年参加してきたことで社内に先輩たちから伝えられたノウハウが蓄積されたことで、チームとして見た場合に純粋に初級といえないようなチームもあり、そうしたチームへの対応を進めた結果、どうしてもコースレイアウトの難易度が上がっていってしまったというわけだ。

しかし、そうすると今度は本当に初級エンジニアのチームにとっては難易度が高すぎてしまうという弊害が生じていたのが近年の状況であった。そうした相反する状況を解決するため、今大会では純粋にETロボコン初挑戦の初級エンジニアが1回だけ参加できるのがPクラスとなり、2回目以降、もしくはETロボコン初参加でも、エンジニアとして中堅以上というような選手のために難易度が非常に高いAクラスが用意されたというわけだ。

画像2。D部門Pクラスのコースレイアウト