パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)は7月30日、2026年度第1四半期(1Q)の決算を公表。AIインフラ関連事業の好調などが牽引して増収増益となり、1Qとしては41年ぶりの過去最高益更新を達成した。また通期見通しについても上方修正を行ったと明石営業利益では1984年以来42年ぶりとなる過去最高益の5900億円を達成する見通しとなった。

決算説明会に登壇したパナソニックHD 取締役/執行役員の和仁古明グループCFOは、1Qの決算説明に先立ち、7月28日に発生した令和8年熊本地震における被災者へのお見舞い、および犠牲者への哀悼の意を表明した。なお、同地震によるパナソニックグループの事業活動への重大な影響は確認されていないとしつつ、引き続き状況を注視しながら従業員の安全を最優先で確保するとともに、「被災地域の状況を充分に踏まえながら、必要な支援についても検討を進めていく」とした。

1Qとしては41年ぶりの過去最高益更新に

パナソニックHDの2026年度1Q決算において、売上高は2兆189億円で、前年同期比106%となる増収。一方の調整後営業利益は1864億円と、前年同期比204%となる949億円もの増益で、営業利益は1825億円とこちらも前年同期比210%という結果に。和仁古氏によると、1Qの業績としては1985年以来41年ぶりとなる過去最高益の更新を達成したという。

  • 2026年度1Q連結業績概要

    パナソニックHDの2026年度1Q連結業績概要(出所:パナソニックHD)

セグメント別にみると、売上高では、家電などを含むスマートライフを除きすべてのセグメントで増収。調整後営業利益では、エナジーに含まれる車載電池事業でカンザス工場の立ち上げに伴う固定増加などが影響し若干の減益となったものの、同じエナジーの中でもデータセンター向け蓄電システムが好調だった産業・民生領域で132億円の増益となり、すべてのセグメントで増益となった。

  • セグメント別の調整後営業利益増減要因

    2026年度1Q セグメント別の調整後営業利益増減要因(出所:パナソニックHD)

和仁古氏は、特にグループの増益を牽引した部門としてコネクト・エレクトリックワークス・インダストリーを挙げる。コネクトにおいては、アビオニクスやプロセスオートメーションの好調に加え、ブルーヨンダーの増販が成長に寄与したとのこと。エレクトリックワークスも増販益が大きく、2025年度にグループ全体で推し進めた構造改革も大きな効果を発揮した。またインダストリーについては、市場拡大が続くAIインフラ関連事業や半導体製造装置向けのFA機器の増販が大きく影響したとしている。

通期見通しも上方修正 - 拡大需要対応へ生産能力増強

全部門で好調な事業推移が見られた1Qの結果を受け、和仁古氏はパナソニックグループ全体の2026年度連結業績見通しについて、売上高で2000億円、調整後営業利益では500億円の上方修正を行うことを明かした。

  • 2026年度業績見通しの概要

    パナソニックHD 2026年度業績見通しの概要(出所:パナソニックHD)

上方修正の主要因として挙げられたのは、AIインフラとしてのデータセンターおよび周辺事業に対する需要の想定以上の拡大だ。特にパナソニックグループとしては、コネクトにおけるFA需要に応える実装機、インダストリーのFAソリューションで不可欠なサーボモータやセンサが期初想定を上回る水準で成長を遂げているといい、今後も継続的な拡大が見込まれることから事業成長の牽引が期待されるとする。

また旺盛な需要に対応するための投資も行っていく方針だといい、供給能力拡大計画についても改めて説明された。多層基板材料の生産においては、安定した調達基盤の確立やサプライチェーンの強靭化に加え、蘇州・広州・アユタヤで進行中の生産能力増強計画についても、計画通り進捗していると報告した。一方で導電性高分子コンデンサについては、想定を上回る需要拡大となっていることから、各拠点での能力増強を前倒しで進めているとのこと。加えて、AIサーバーの消費電力急増に対応するキーファクタとして注目されるスーパーキャパシタについては、グループ内(エナジー)用の生産に限らず、デバイスの外販に向けて2026年度中に千歳工場での量産開始を予定しているとした。

  • セグメント別の需要状況

    セグメント別の2026年度需要状況(出所:パナソニックHD)

1984年以来の過去最高益更新見通しも「スタートライン」

なお、1Qの好調を受けた通期見通しの上方修正により、2026年度の連結業績としては売上高が7兆8000億円、調整後営業利益は6500億円となる見通しとなった。また営業利益は5900億円の見通しで、これは1984年度に記録された5757億円を上回る水準。現時点での想定通りに事業が推移すれば、42年ぶりに過去最高益が更新されることとなる。

和仁古氏はその要因について、2025年度を通して行われた“痛みを伴う”グループ構造改革や、不採算事業への“聖域のないメス”などを挙げつつ、「過去の時価総額が低迷していた時期などから脱却したいという想いひとつひとつが、今回の実績として結実したと考えている」とコメント。そして「まだまだここからがスタートライン」と気を引き締め、「何かを成し遂げたというよりは、2028年度に向けてさらに高い水準を目指していく」と、さらなる成長を見据えた姿勢を強調した。