ついでにPhenom II 955で、メモリの構成を変えた場合の結果をグラフ77、78に示しておく。システム全体(グラフ77)で見ると、多少のメモリの構成の違いは殆ど見えないが、流石にDDR3-1600を使うと(1.8V駆動ということもあり)消費電力が結構上がっていることが判る。ただEPS12Vライン(グラフ78)で見ると、メモリコントローラがCPUに内蔵されていることもあってか、結構変動が大きいのが判る。
ただやっぱりDDR3-1600を使うと突出して消費電力が高くなるのは間違いない。先に書いたとおり、DDR3-800 CL5とDDR3-1066 CL7のケースでは定格よりLatencyを少なくするために、メモリ電圧を若干(1.6V~1.64V)上げているが、この程度だと殆ど消費電力には影響がない。が、流石に1.8Vまで上げるとそういうわけには行かないようだ。
このあたりは性能とのバランスなのだろうが、現状程度の性能の上乗せでは、最大で10W以上消費電力が増えるのはあまり賢明な選択肢とはいえないだろう。将来的に、1.65V程度で動作するLPDDR3が利用できるようになれば選択肢として悪くないのだろうが、現状ではDDR3-1333あたりが(消費電力との関係では)ベストバランスなのではないかと思う。