とはいえ、効率の悪さも見逃せない。おおよそ3Threadの時が、合計のThroughputが一番高い傾向にあるのでこの数字を使うことにするが、例えばDDR3-800であればメモリ1chあたりの帯域は800MHz×64bit=6.4GB/sec。テスト構成はGanged Modeなので、2chで合計で12.8GB/secの帯域が理論上利用できるわけだが、実際はというと6.2GB/sec程度で半分以下である。これは他にも言える事で、
理論上の帯域 | 実際の帯域 | 効率 | |
---|---|---|---|
DDR3-800 | 12.8GB/sec | 6.2GB/sec | 48.4% |
DDR3-1066 | 17.0GB/sec | 8.0GB/sec | 47.1% |
DDR3-1333 | 21.3GB/sec | 10.0GB/sec | 46.9% |
DDR3-1600 | 25.6GB/sec | 11.8GB/sec | 46.1% |
といったあたりで、効率が大体47%前後に留まっている事が判る。対してCore i7の場合、こちらの数字を使うと、
理論上の帯域 | 実際の帯域 | 効率 | |
---|---|---|---|
DDR3-1067×1 | 8.5GB/s | 7.8GB/s | 91.8% |
DDR3-1067×2 | 17.1GB/s | 15.0GB/s | 87.7% |
DDR3-1067×3 | 25.6GB/s | 19.7GB/s | 77.0% |
DDR3-1333×1 | 10.7GB/s | 9.8GB/s | 91.6% |
DDR3-1333×2 | 21.3GB/s | 18.1GB/s | 85.0% |
DDR3-1333×3 | 32.0GB/s | 22.4GB/s | 70.0% |
といったところ。やはりチャネル数が増えるとやや効率は落ちるが、それでもPhenom IIよりは格段に良い効率をたたき出している事が判る。
これはWriteにおいても言える。グラフ57を見ると、DDR3-1600でもせいぜいが4.5GB/secといったところ。これはCore i7におけるDDR3-1067×2よりも低いスコアでしかない。単にL2/L3のみならず、メモリコントローラの効率化もCore i7に対するPhenomの課題と言えそうだ。