PCMark Vantage v1.0
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ではもっと複数の処理だとどうなるか? というのがこちらである。まずOverall(グラフ12)を見てみると、殆どのテストで「肉薄するものの一歩及ばず」といった結果になっている。
PCMark Detail(グラフ13)では、Productivity2とGame1以外、どれも一歩及ばずといったところ。特にCommunication1(データの暗号化と圧縮、Windows Mailのコピーの3つの並行動作)のうち、特にデータの圧縮で倍近いスループットの差がついており、これが性能が伸びない理由になっているようだ。ただ、後述するCommunicationのTest1(データの暗号化と圧縮、Webページのレンダリング)では差が縮まっているあたり、どちらかというとこれはキャッシュがあふれてMemory Accessが多用された結果性能差が広がっている雰囲気ではある。これはMusic1の結果にも言えることで、PCMark Vantageの想定している作業ではCore 2 Quadがオンキャッシュ、Phenomではオフキャッシュというケースが多いようだ。そう思えば、よくこの程度の差で収まっているな、と考えることも出来よう。
もう少し詳細を見てみよう。Memory Detail(グラフ14)の場合、1タスクのTest 3/4の差はそれほど大きくなく、複数タスクとなるTest 1/2で差が大きい。もっとも同じ複数タスクでも、TV and Movies Detail(グラフ15)ではWindows Media CenterへのHDDアクセスとなるTest 3以外かなり接近しているし、Gamingではむしろ僅かながらアドバンテージがある程だ。Memory Accessが主体になると、Phenomもその威力を発揮するようだ。Music(グラフ17)に関しては、大差がついているのがTest 4(WMA→WMAのトランスコードと、Windows Media Playerで楽曲を追加する処理の並行動作)というあたりは、それがキャッシュ容量に起因するとはちょっと断言しにくいが、Communication Deital(グラフ18)などは明らかにキャッシュ容量不足と言えそうだ。Productivity(グラフ19)はTest 1(Text編集とアプリケーションロードのHDDアクセス)で、性能差はもっぱらアプリケーションロードによるものだった。
そのHDD(グラフ20)はTest5~8、つまり、
- Windows Movie Makerを使ってのビデオ編集
- Windows Media Centerの動作
- Windows Media Playerを使っての楽曲の追加
- アプリケーションのロード
といったあたりで大差が付いている。今回は4GBのUSB Flashを全量Ready Boostに割り当て、かつテストも何回か実施しているから、あるいはHDDの問題というよりはReady Boostに起因する部分かもしれないし、あるいはSATAドライバの完成度の可能性もある。このあたりは、CPU以外の要因と考えたほうが無難かもしれない。