テスト環境

さて長々とした説明も終わったところで、実際のアプリケーションベンチの結果を見てゆくことにしよう。テスト環境は表2に示すとおりだ。

表2

テスト内容は、X48とかSkullTrailの際と全く同じ(ドライババージョンやベンチマークバージョンもあわせてある)なので、これらの結果とあわせて見ても良いのだが、スコアが余りに違い過ぎるので今回は別途Core 2 Extreme QX6700で同じテストを行い、こちらとあわせてみることにした。

ちなみにテストは3パート構成となっており、

Part 1 : 通常のパフォーマンス比較
Part 2 : TLB Cache DisableやMemoryのUnganged Modeがアプリケーションに与える性能
Part 3 : 2P/3P Phenomの性能

をぞれぞれまとめてある。

このPart 3について、もう少しだけ。正月のロードマップでも説明したとおり、AMDは今年Quad-Coreに加え、Barcelona(というか、Agena)をベースとしたTri-CoreとDual-Coreの製品をリリース予定だ。もっともこちらも計画はやや錯綜気味で、Tri-CoreのTolimanはまだしも、Dual-Coreのkumaの方はいつ登場するのか(というか、本当に登場するのか)判らなくなりつつある。当初Tri-Core PhenomはQuad-Core Phenomをそのまま使ったものとなり、Dual-CoreはNativeなものになるという話だったのが、最近はTri-CoreもNativeなものになるという話である。

察するに、

  • Quad-Core Phenomについても、B3 Steppingの製造とか、(量産するかどうかはともかく)B4 Steppingのデザインなどで、当初より手離れが悪くなった。結果、設計チームはこれらへの対処で手一杯である。
  • Tri-Core Phenomについても、今のB2/B3ベースのままだとStatic Powerが高すぎてTDPが上がりすぎてしまう。なので、Native Tri-Coreを設計しなおすことで、Static Powerを下げる方策を採らざるを得ない。結果、量産工程のゆとりも減っている。
  • そういうわけで、Native Dual-Coreを新規に設計・製造する予定を後ろにずらさざるを得ない。結果、kumaの登場はかなり後になるか、下手をすると65nm SOI世代はスキップして45nm SOI世代からとなっても不思議ではない。

というあたりではないかと思う。

まぁそうした話はともかく、折角BIOSにDowncoreの機能が付いているので、これを使ってDual-Core及びTri-Coreの性能を比較しておくのは悪くないと判断した。そんなわけで、これのために1パートを追加することにした。