本連載の第1回では、列車内でノートPCなどを使用する際に無視できない「電源の確保」について取り上げた。そこで今回は、国内線に搭乗する際の電源の確保について考えてみたい。

さすがに機内には電源がないことが多い

大陸を横断することもある米国の国内線ならいざ知らず、日本の国内線では飛行距離が限られているので、飛行時間はせいぜい2時間かそこらということになる。

もちろん、その間でも電源を確保できれば嬉しいが、どのみち飛行機では離着陸時に電子機器の電源をを切らなければならないので、実際に利用可能な時間はもっと短い。だから、離陸前にバッテリを満タンにしておけば、よほどバッテリの保ちが悪い機種でもない限りは、飛んでいる間のバッテリ切れに見舞われることはないと言える。

そうなると、飛行機の中では電源を確保できなくても我慢できるが、空港では電源が欲しいという話に行き着く。多くの場合、エコノミークラスを利用することを考えると、座席に電源を設置することを求めるよりも、空港で電源を確保する手段を知っているほうが現実的とだろう。

ちなみに電源の話からは外れるが、飛行機の座席のシートピッチは鉄道と比べて狭いので、このことがノートPCのサイズにも影響する。特に、前の席に座っている人が背もたれをリクライニングさせると、ただでさえ狭い空間がますます狭まってしまう。筆者は13インチ級のディスプレイを持つノートPCを使用していたが、もう一回り小さい11.6インチの機種に鞍替えした。

空港ラウンジの設備は充実してきた

閑話休題。

空港で電源を確保したいという時に、真っ先にチェックしたいのが空港ラウンジだ。ラウンジといっても、エアライン各社が自社のお得意様向けに設置しているものと、空港自身が設置しているものがあり、ここでは後者を指す。誰もがそんな「お得意様待遇」になっているわけではないだろうから。

この手のラウンジは有料(1,000円台で利用できることが多いようだ)だが、クレジットカードのタイプによっては航空券と合わせて提示すれば無料で利用できる。そして近年、そうしたラウンジの多くで電源を設けた席を用意してくれている。

筆者が使った経験があるラウンジでは、羽田(国内線第一ターミナル)、福岡、高松、那覇が該当するが、大抵の主要空港なら期待して良いのではないだろうか。さらに、空港によっては無線LANや有線LANによってインターネット接続を利用できるようにしている場合もある。さらに運がいいと、VPN(筆者はPPTPを利用している)の利用まで可能になっていることもある。

また、空港ラウンジであれば飲み物の用意もあるので、コーヒーを飲みつつノートPCをインターネットに接続して、さらにバッテリの充電までできてしまうというわけだ。ただし、某空港のように「飲み物は回数制限付き」とか「ラウンジの利用は1時間まで」なんていうこともあるようだが。

なお、ラウンジで注意したいのは、それが保安検査場の手前(外側)にあるか、向こう側(搭乗ゲート側)にあるかだ。各空港のWebサイトで、施設案内図を事前に確認しておくと安心だ。ラウンジで優雅に過ごしていたら、保安検査で手間取りフライトの時間に間に合わなくなった……なんてことになってはシャレにならない。筆者がお気に入りの羽田空港(国内線第一ターミナル)みたいに、保安検査の後でラウンジを利用できるとありがたいものだ。

ラウンジ以外で電源を確保するには?

では、無料でラウンジを利用できるクレジットカードを持っていない人はどうするか。もちろん、有料でラウンジを利用することはできるが、バッテリ充電代・ネット接続代として1,000円以上支払うのは、あまり費用対効果が良くない。もうちょっと、マシな解決策はないものか。

ここでオススメしたいのが、空港によっては待合室の片隅に設置してくれているノートPC利用のためのスペースの利用だ。筆者が知っている範囲では羽田空港の国内線第一ターミナル(毎度毎度、第一ターミナルばかりで申し訳ない。マイレージの関係で利用するエアラインが限られてしまっているのだ)では何ヵ所か、搭乗ゲート手前の待合室に椅子・電源付きのテーブルが用意されている。

しかもビックリしたのは、バス移動のためのゲートに設けられている待合室にまで、ちゃんと椅子・電源付きのテーブルがあったことだ。ボーディングブリッジを利用する通常ゲートと比べると空いているだろうから、意外な穴場かもしれない。ただし、自分が搭乗する便のゲートが遠い場合には、乗り遅れに御用心。

羽田空港第一ターミナルのバスゲート待合室にある「電源席」

ちなみに余談だが、東海道新幹線の駅でも改札内待合室の片隅に椅子・電源付きのテーブルが用意されていることがある。すべての駅に設けられているかどうかはわからないが、主要駅なら探してみる価値はありそうだ。