今年は第25回という記念の年を迎えるHot Chips 25が開幕した。昨年は、スタンフォード大学のメモリアルオーディトリアムが改装中のため会場を移したが、今年は、新装成ったメモリアルオーディトリアムに戻っての開催である。ただし、新装といっても壁のペイントと椅子のシートの交換程度で、創立者のスタンフォード氏を記念するホールの歴史的なたたずまいはまったく変わっていない。

メモリアルオーディトリアムの外観(左)とHot Chips 25のレジストレーション風景(右)

初日の8月25日はチュートリアルで、午前中はAMDが主導するHSA(Heterogeneous System Architecture)、午後は、ビッグデータ用の高速ストレージ関係のチュートリアルが行われる。

8月26日、27日が本会議で、今年は、AMDのKabini APU、マイクロソフトのXbox One、Intelのスマホ向けのClover Trail+が発表されるSoCのセッションで幕をあける。

そして、プロセサ関係では、AMDのハイエンドAPUのRichland、IntelのHaswellの発表が行われる。サーバ用のプロセサとしては、IBMの次世代POWERプロセサとzEC12メインフレーム、富士通のSPARC64 X+、OracleのSPARC M6プロセサが発表される。これらのプロセサの大部分は初の学会登場で、興味深い発表が期待される。

また、元Intelのプロセサ設計者で、現在はDARPAのBob Colwell氏がムーアの法則の終焉時代のチップ設計と題する基調講演を行う。これもどのような主張になるのか興味深いところである。

このようにプロセサ関係の発表が並んでいるが、タブレットやスマホなどの携帯機器や、プロセサ間の接続なども重要になってきている状況に鑑み、2番目の基調講演ではGoogleのBabak Parviz氏がGoogle Glassについて講演する。また、Qualcommはマルチメディア向けのHexagon DSPの発表を行い、Cypressはタッチスクリーンコントローラの発表を行う。そして、インタコネクト関係では、LuxteraがASIC内蔵用のシリコンフォトニクス、PLXテクノロジがラックレベルの接続用のPCI Expressスイッチを発表する。

引き続き、Hot Chips 25での発表をカバーしていく予定である。