画像やPDF、ZIPファイルなど、Gmail経由で送られてきたファイルをパソコンにダウンロードして活用する、というのは多くの人が日常的にしていることかと思います。しかし、実はGmailには添付ファイルだけでなくメールの本文そのものをダウンロードできる仕組みも備わっていることはご存知でしょうか。

メール本文をダウンロードしてどうするのか?という疑問を持つ人もいるかもしれません。ですが重要なメールをファイルとして手元に保存しておけば、Gmailが使えない時であってもメールの内容を確認することが可能ですし、万が一のバックアップにもなります。

そしてもう1つ、メールのダウンロードが最も生きるのは、ダウンロードしたメールを他のメーラーでも活用したいという場合です。ダウンロードしたメールは転送やコピーなどとは違って相手から送られてきたメールそのものなので、それを他のメーラーで扱うことにより、複数のメーラーをまたいでのメールのやり取りが簡単にできるようになるのです。

Gmailのすべてのメールをダウンロードするというのであれば、過去にアーカイブ機能(第13回参照)を使った方法もあるでしょう。しかし、アーカイブ機能ではすべてのメールをダウンロードすることになるため、非常に時間がかかってしまいます。

あくまで個々のメールだけをダウンロードしておきたいというのであれば、まず受信トレイからダウンロードしたいメールを開いた後、メニューボタンを押して「メッセージをダウンロード」をクリックするだけOKです。すると添付ファイルをダウンロードするのと同じ形で、ファイルのダウンロードが始まります。

  • Gmailテクニック 第86回

    メール本文をダウンロードするには、メールを開いた後にメニューボタン(1)をクリックした後、「メッセージをダウンロード」(2)を選ぶ

ダウンロードしたファイルは「.eml」という形式で、これはOutlookやThunderbirdなど多くのメーラーはこの形式で利用できるもの。それゆえeml形式に対応するメーラーでファイルを開けば簡単に内容を閲覧できるほか、そのメーラーを使ってそのままメールに返信したりすることも可能です。

また、メールに添付ファイルがある場合は、添付ファイルもまとめてeml形式で保存される仕組みです。それゆえ添付ファイルだけをダウンロードするのと比べ、「このファイルは何のファイルだったかな?」と内容を忘れてしまいにくいのもメリットといえるかもしれません。

  • Gmailテクニック 第86回

    ダウンロードしたファイルをOutlookで開いたところ。メール本文だけでなく添付ファイルもそのままダウンロードされており、相手への返信なども可能だ

ただ、メールのダウンロードには弱点もあります。と言うのも一度にダウンロードできるのは、あくまでメール1通のみなので、スレッド単位にメールをまとめてダウンロードすることはできないのです。

しかし、メールを添付して転送する仕組み(第66回参照)を活用することで、複数のメールをまとめてダウンロードしやすくすることは可能です。

まずは、受信トレイの一覧画面から、添付したいメールのチェックボックスをチェックして選び、メニューボタンを押した後に「添付ファイルを転送」をクリックします。

  • Gmailテクニック 第86回

    複数のメールをダウンロードしやすくするには、受信トレイ一覧からダウンロードしたいメールを選択(1)し、メニューボタン(2)を押した後に「添付ファイルを転送」(3)をクリックする

するとメール作成画面が開いて選択したメールが添付されるのですが、添付したメールのファイルをクリックするとダウンロードができることから、後はリンクをクリックするだけで、複数のメールを簡単にダウンロードできるようになる訳です。

  • Gmailテクニック 第86回

    メール作成画面が開いて転送メールを添付する準備が整ったら、各メールのファイルをクリックすることでダウンロードができる

ただ受信トレイは通常スレッド単位での表示となることから、スレッド化されたメールはこの方法を使ってダウンロードすることはできません。そんな場合はクイック設定の一番下にある「スレッド表示」のチェックを外して非スレッド表示にし、さらに検索機能をうまく活用すれば、スレッド化されているメールもこの方法でダウンロードしやすくなるでしょう。

  • Gmailテクニック 第86回

    クイック設定から「スレッド表示」のチェックを外せば、スレッド化されているメールも個々に選択できるようになる

複数のメーラーを使い分けるなど高度な使い方をしている人から、手軽なバックアップ用途に活用したいという人まで、メールのダウンロードは地味ながらも、多くの人にとっていざという時役立つ機能だといえます。利用頻度は多くないかもしれませんが、ぜひ頭の片隅に入れておきたい所です。