上着を造形していく

この連載も6回目です。今回もCATMANのオリジナルフィギュアの造形を進めていきます。造形スタート時に説明しておくべきでしたが、混合して練ったスカルピーは、チャック付きの袋に入れておくと、後々も使えて良いです。これには油分が飛んで、ボロボロになるのを遅らせる効果があります。

スカルピーは後々も造形で使うので、このように保存しておく

前回焼いて固まった、ズボンの上着と重なる部分を中心に全体にペーパーを当てます。下地処理ではなく、これは仕上げ作業の一環です。

丁寧にペーパーを当てる

次は残ったジャケット部分の造形です。下腕の芯のアルミ線の位置を決めてパテで補強します。

このように芯を補強する

その上にスカルピーを盛ります。腕のように棒状の部分は、スカルピーを平たく伸ばして貼り付けるように盛ります。

伸ばしたスカルピーを貼り付けるような感覚で盛る

背中の部分も調整します。前回のシャツの段階で盛りすぎてしまった部分を削っておきます。

新たに、スカルピーを盛っている途中で、下地が邪魔なところは適時削る

ジャケットを作ります。まずは全体を荒盛りします。

ジャケットを造形していく

ジャケットですが、礼服ともう一着しか私は持っていないので、今回は新聞の広告を見ながら、細かいところを作りました。裾等の、エッジがある部分はカッターで切り落としたりもします。

カッターを使いエッジを出していく

CATMANは人型ですが、尻尾があります。そこで、尻尾が出る穴のアタリを付けておきます。

尻尾のアタリをつける

ほぼ仕上がりました

ジャケットを造形したフィギュアを再びオーブンで焼きます。手のモールドを入れると同時に、ポケットも直します。

造形を修正する。出来てしまった大きなクラックなども、スカルピーを盛って修正

ネクタイ等ディテールを入れます。焼き上がり。タバコが無くなっていますが、完成直前にスカルピーより丈夫な素材で作って、取り付ける予定です。

ジャケットを着た全身がほぼ完成。後は尻尾のみ

さて、今回の造形ですが、裾が塊のままなのにお気づきでしょうか? 次回はこの原型を元に、型取り作業を予定しています。尻尾も造形する予定です。

もう少しで原型完成です

安藤賢司
バンダイ『S.I.C』シリーズなど、多数のハイエンドな玩具の原型を担当。「原型師がマスプロダクツ製品のパッケージに名前を刻まれる」という偉業を成し遂げ、「玩具原型」の認識を「作品」のレベルまで高めた。現在は『S.I.C』シリーズ最新作の原型を製作中

次回、原型完成。安藤賢司が型取りテクを駆使しフィギュアを量産?