前回は「セクション区切り」を使って、文書の途中からページ番号を開始したり、ヘッダー・フッターを変化させたりする方法を紹介した。このほかにも、さまざまな用途に「セクション区切り」が活用できる。たとえば、「ページ設定」を部分的に変更して、A4(縦)の文書内にA4(横)のページを挿入することもできる。

  • 「セクション区切り」を使ってページ設定を変化させる

    「セクション区切り」を使ってページ設定を変化させる

ということで、今回は、用紙サイズ/用紙の向き/余白などの「ページ設定」を文書内で変化させる方法を紹介していこう。

セクション区切りの挿入

文書に大きな画像を挿入したいケースもあるだろう。ただし、普通に編集作業を進めていくと、文書の幅(余白を除いた文書幅)が画像の最大サイズになってしまう。

  • 文書に画像を挿入した様子

    文書に画像を挿入した様子

これは、ある意味、仕方のない状況といえるが、このままでは画像内の文字が潰れてしまい、内容を読み取れなくなってしまう恐れがある。サイズの大きい表やグラフなどを掲載する場合も同様だ。

このような場合に活用できるのが、「ページ設定」を部分的に変化させる方法だ。たとえば、画像を掲載するページだけ用紙の向きを「横向き」に変化させてあげれば、それだけ大きく画像を掲載することが可能となる。その手順を紹介していこう。

文書の途中で「ページ設定」を変更するには、あらかじめ文書を複数のセクションに分割しておく必要がある。掲載されている画像をいちど削除し、画像の挿入位置にカーソルを移動する。

  • 画像を削除してカーソルを移動

    画像を削除してカーソルを移動

続いて、「レイアウト」タブにある「区切り」をクリックし、「次のページから開始」を選択する。

  • 「セクション区切り」の挿入

    「セクション区切り」の挿入

カーソル位置に「セクション区切り」が挿入され、以降の文字が自動的に改ページされる。このとき「編集記号の表示/非表示」をオンにしておくと、「セクション区切り」の位置を確認しやすくなる。

  • 挿入された「セクション区切り」

    挿入された「セクション区切り」

同様の手順で「セクション区切り」をもう一つ挿入する。改ページされた場所へカーソルを移動し、「区切り」→「次のページから開始」を選択する。

  • さらに「セクション区切り」を挿入

    さらに「セクション区切り」を挿入

これで文書内に2つの「セクション区切り」を挿入できたことになる。つまり、文書を3つのセクションに分割したことになる。

改行の数を調整して見やすくした形で、いちど状況を整理しておこう。今回の例の場合、1~2ページ目が「セクション1」、3ページ目(白紙)が「セクション2」、4ページ目以降が「セクション3」という構成になる。

  • 3つのセクションに分割された文書

    3つのセクションに分割された文書

あとは「セクション2」だけ用紙の向きを「横向き」に変更して、そこに画像を挿入していけばよい。念のため、その手順も紹介しておこう。

セクションを対象にしたページ設定

特定のセクションについてのみ「ページ設定」を変更するときも、基本的な操作手順は通常の設定変更と同じになる。設定を変更するセクション内(今回の例の場合、セクション2)にカーソルを移動し、「レイアウト」タブの「ページ設定」グループにある「小さい四角形」をクリックする。

  • 「ページ設定」ダイアログの呼び出し

    「ページ設定」ダイアログの呼び出し

「ページ設定」ダイアログが表示される。まずは、設定対象に「このセクション」が選択されていることを確認する。この状態で設定作業を進めていくと、現在のセクションについてのみ設定を変更することが可能となる。

  • 設定対象の指定

    設定対象の指定

各項目の設定手順に特に変わった点はない。用紙を「横向き」に変更するときは、「余白」タブで以下の図のように設定すればよい。

  • 用紙の向き(印刷の向き)の変更

    用紙の向き(印刷の向き)の変更

このセクションには画像をなるべく大きく掲載したいので、余白のサイズも小さくしておこう。今回は、上下左右の余白を10mmに変更してから「OK」ボタンをクリックした。

  • 余白の変更

    余白の変更

現在のセクション(セクション2)についてのみ「ページ設定」が変更され、A4(横)、余白10mmの状態になる。もちろん、他のセクション(セクション1と3)は設定変更されないため、初期値であるA4(縦)の状態が維持される。

  • ページ設定が変更されたセクション

    ページ設定が変更されたセクション

画像、グラフなどの挿入と調整

あとは、このセクション内に画像を配置していくだけ。今回は「行内」のレイアウトのまま画像を挿入するので、画像に「中央揃え」を指定することによりページの中央に画像を配置した。

  • 画像の挿入(1)

    画像の挿入(1)

同様の手順で画像をもう1枚配置すると、以下の図のようになる。こちらも「中央揃え」を指定することにより画像をページの中央に配置した。

  • 画像の挿入(2)

    画像の挿入(2)

なお、ページ全体に画像を配置すると、「改行」や「セクション区切り」が次ページへ送られ、白紙のページが発生してしまう。この白紙ページを削除するには、余計な「改行」を削除していけばよい。

  • 不要な改行の削除

    不要な改行の削除

これで白紙ページを解消できる。なお、画面では確認しづらくなっているが、「セクション区切り」は画像の直後(右側)に位置する状態になる。

  • 改行を削除した様子

    改行を削除した様子

念のため、文書全体のページ構成も紹介しておこう。今回の例では、以下のように文書を構成したことになる。

  • セクション1 A4縦:初期値(1~2ページ目)
  • セクション2 A4横、余白10mm(3~4ページ目)
  • セクション3 A4縦:初期値(5ページ目以降)
  • ページ構成の様子

    ページ構成の様子

これで、画像を可能な限り大きく掲載することができた。画像の解像度が十分であれば、小さな文字も問題なく視認できる文書になるだろう。

なお、この手法で文書を作成するときは「画像を挿入するタイミング」にも注意しておく必要がある。基本的には、ページ設定を「横向き」に変更してから「画像の挿入」を行う、と覚えておけばよい。

この手順を逆にして「画像の挿入」→「用紙を横向きに変更」という順番で作業を進めると、画像データを間引いた形でWordファイルが保存されてしまう可能性がある。この場合、後ほど画像を拡大したときに十分な解像度を得られなくなり、不鮮明な画像になってしまう恐れがある。念のため、注意しておくとよいだろう。

文書のPDF化にも問題なく対応

最後に、先ほど作成した文書をPDFに変換した様子を紹介しておこう。PDFの作成手順は、通常の文書と同じ。「ファイル」タブを選択し、「エクスポート」→「PDF/XPSドキュメントの作成」→「PDF/XPSの作成」ボタンと操作を進めていけばよい。

  • PDFの作成

    PDFの作成

以下の図は、作成されたPDFを開いた様子だ。ページ設定の変更がPDFにも問題なく反映されていることを確認できるだろう。

  • 作成されたPDF

    作成されたPDF

このように「ページ設定」が途中で変化するPDFを作成することも可能だ。PDFは画面の表示倍率を自由に変更できるため、印刷する文書ほどシビアではないが、それでも「貼り付けられている画像」の解像度(掲載サイズ)が不十分であると、拡大表示したときに画像が劣化してしまう。そういう意味では、はじめから画像を大きく掲載できる「ページ設定の部分変更」は有効なテクニックといえるだろう。ぜひ、覚えておくとよい。