Microsoftは10月21日(現地時間)、WindowsアプリのUIをC#で構築できる実験的な技術「Microsoft.UI.Reactor」を開発者向けブログ「WinUI Reactor: A New Approach to User Interfaces - #ifdef Windows」において公開した。

Reactorは、既存のWinUIを基盤としながら、XAMLを使用せずに画面を構築できる仕組みだ。Microsoftは、ReactorがWinUIを置き換えるものではなく、XAMLについても非推奨とせず、継続的に投資する方針を明らかにしている。

Windows Latestは2026年10月25日(現地時間)、「Windows 11’s native WinUI isn’t being killed this time, Microsoft promises, but developers have heard that before」において、Microsoftが実験的なUIフレームワーク「Microsoft.UI.Reactor」の検証をはじめたと報じた。

このフレームワークの登場によって、WinUIとXAMLが廃止されることはない。しかし、過去にSilverlightやUWPなどの開発方針を変更してきた経緯から、開発者の間には警戒感が漂っている。

XAMLを使わずにWinUIアプリを開発、既存技術も継続

WinUIは、WindowsアプリのUI構築に利用できるネイティブフレームワークだ。Windows 11のデザインに対応したアプリを開発でき、Microsoftが推奨するUI技術の一つとなっている。一方、XAMLは画面の構造や表示要素を記述するために使われるマークアップ言語で、WinUIの開発に使用できる。

今回の「Microsoft.UI.Reactor(以下、Reactor)」は、WinUIを基盤としながら、XAMLを使わずC#で画面を記述する新たな手法を提供する。従来のWinUI開発では、画面のマークアップと状態管理のコードを複数のファイルに記述していた。Reactorを使用すると、画面の外観とコンポーネントの状態をC#でまとめて記述でき、UI開発のコードを簡素化できる。

Microsoftのソフトウェア開発技術者のAlexandre Zollinger Chohfi氏は10月21日、開発者向けブログにおいて、WinUIが基盤であり、XAMLは引き続き正式な利用方法として扱われ、非推奨にはならず、積極的な投資も継続すると説明した。同ブログではオープンソースリポジトリーや開発ガイドも案内している。

こうした説明が注目される背景には、Microsoftの過去の製品や技術の変遷がある。Windows Latestは10月25日、「Windows 11’s native WinUI isn’t being killed this time, Microsoft promises, but developers have heard that before」において、Microsoftが過去に開発技術の方針を変更してきた経緯を紹介した。

Microsoftは2021年10月にSilverlightのサポートを終了した。UWPについてはサポートが続いているものの、Microsoft自身が新規アプリの開発に採用しておらず、公式文書でも積極的な開発段階にはないと説明している。

ほかにも、AndroidアプリをWindowsで動かすProject Astoria、Windows Subsystem for Android、iOSとの連携を目指したプロジェクトなどが終了してきた。こうした経緯が、新たな技術発表に対する開発者の慎重な姿勢につながっている。

Reactなどに似た記述方法を採用、ネイティブアプリ開発を簡素化

Reactorの特徴は、ReactやSwiftUI、Jetpack Composeなどに見られる宣言的なUI構築の手法を取り入れている点にある。C#で画面と状態をまとめて記述できることに加え、WinUIのテキストボックスやナビゲーションビューなど、ネイティブコントロールを扱える。

MicrosoftはGitHubの説明で、Reactorを新たなUIプラットフォームではなく、WinUIのコンテンツを記述する新しい方法と説明している。Reactなどの宣言的UIに慣れた開発者にとって、WinUIを利用したネイティブアプリ開発に取り組みやすくなる可能性がある。

Reactorは現段階では実験的な技術と位置付けられており、正式なサポートやAPIの互換性は保証されていない。Chohfi氏は、開発者からのフィードバックを収集するために早期公開したと説明している。今後、ReactorがWindowsアプリ開発の選択肢として定着するかは、開発の進展と開発者の採用状況に左右されそうだ。