Windows Latestは2026年10月20日(現地時間)、「Even designers are now using AI to code Windows 11, and Microsoft says “we’re only getting started”」において、Microsoftが人工知能(AI)を活用し、Windows 11のデザイン改善に向けたコード修正を加速させていると伝えた。

Microsoftのデザイン部門バイスプレジデントを務めるDiego Baca氏は、デザインチームの作業効率が大きく向上し、デザイナー自身がコードの修正に参加する事例も出ていると説明した。古い画面と新しい画面が混在するWindowsのデザインを統一するうえで、AIが開発工程の短縮に役立つ可能性を示している。

AIでデザイナーもコード修正、Microsoft幹部が明かす

発端は、Microsoftのエグゼクティブバイスプレジデント兼コンシューマー最高マーケティング責任者を務めるYusuf Mehdi氏が、新しいWindows Searchを紹介する動画をXに投稿したことだった。

同氏はタスクバーから数千種類の簡単な操作を実行できると説明した。これに対し、Lockergnome創設者のChris Pirillo氏は、新しいWindows Searchの登場によって、時代遅れだと感じていたスタートメニューが廃止されることに期待を示した。

  • Yusuf Mehdi氏のXへの投稿

    Yusuf Mehdi氏のXへの投稿

Pirillo氏はさらに、Microsoftが豊富に保有するAIトークンを活用すれば、複数のAIエージェントを連携させ、Windowsのデザイン統一をもっと速く進められるのではないかと指摘した。これにMicrosoftのデザイン部門バイスプレジデントを務めるDiego Baca氏は、AIエージェントの活用について全面的に同意すると返信した。

Baca氏によると、AIはすでにデザインチームの作業を加速させており、デザイナー自身がコード修正に参加し、仕上がりや一貫性、品質を改善する事例も生まれているという。また、こうした進展は始まったばかりだと述べた。

ただし、AIがWindows 11全体を自動で再設計しているわけではない。使用しているAIツールの名称や具体的な修正箇所、コードに占めるAIの割合も明らかにしていない。一方、Windows全体のデザインの一貫性については、Microsoftが継続して取り組んでいる課題だと認めた。

Windows 11の旧式画面を刷新、WinUIへの移行進む

Microsoftは、Windows 11の一部画面をユーザーインタフェース技術「WinUI 3」で再構築する作業を進めている。従来のコードを残したまま外観だけを変更するのではなく、画面の仕組みから刷新する取り組みだ。

新しいWindows Searchも対象の一つで、10月7日にWindows Insider ProgramのExperimentalチャネルでテストが開始された。スタートメニューの検索欄に「ダークモードに切り替える」と入力すると、該当する設定を検索結果に表示し、その場で変更できる機能も用意された。

「ファイル名を指定して実行」ダイアログも、C#とWinUIを使用して再開発された。Microsoftの計測では、画面表示にかかる時間の中央値は94ミリ秒となり、従来版の103ミリ秒から短縮された。また、フォトアプリの編集機能もWinUIで再構築され、読み込み速度が25%向上したという。プロパティ画面や印刷管理アプリの刷新も進められている。

一方、Windows 11には旧式の画面が依然として残る。設定アプリから「マウスの追加設定」を開くと、ダークモードに対応しない従来型の設定画面が表示される。また、ファイルの右クリックメニューには、旧式のコンテキストメニューを開く「その他のオプションを表示」が残っている。

Microsoftはこうした画面の刷新も進める方針だ。ただし、WinUIへの移行だけですべての問題が解消するわけではない。Windows Latestは、新しい技術を採用しても応答速度に課題が残るケースがあると指摘している。

AI活用で開発を効率化、品質と互換性が課題に

Windowsのデザイン統一には、長年にわたる互換性の維持という課題もある。

Baca氏は、Windowsが10億人を超える利用者を抱えることについて、単なる規模の問題ではなく責任の問題だと説明した。利用者ごとに好みやワークフローが異なり、操作方法の変更は大きな影響を及ぼす。企業では従業員の再教育に費用が発生する場合もある。

一方、互換性への配慮から異なる世代の設計が混在し続ければ、OS全体の操作性や一貫性が損なわれる。Windows Latestは、設定、エクスプローラー、印刷関連ツールなどについて、共通の設計方針に基づく一貫した動作が必要だと指摘している。

こうした課題に対応するうえで、AIによる開発支援が役立つ可能性がある。デザイナー自身が小規模なコード修正を行えるようになれば、設計担当者とエンジニアの連携にかかる時間を短縮し、改善作業を効率化できる。

ただし、AIを使ったコード修正では、安定性や信頼性、保守性の確保が欠かせない。デザイナーが修正に参加できることと、そのコードが十分な品質を備えていることは別の問題だ。

Baca氏は、AIの活用によって一貫性や品質が向上した事例があると説明している。Microsoftは今後もAIによる開発支援を進める考えだが、Windows全体のデザイン統一とともに、品質や互換性をどのように維持するかが重要になる。