AI開発のAnthropicが準備を進めるIPOに向けた目論見書(S-1)の草案で、2026年上期の売上高が約163億ドルに急増する一方、純損失が807億ドルに達したことが分かった。同社はコメントを控えている。
163億ドルの売上成長と807億ドルの純損失
Anthropicの2026年上半期(1~6月)における売上高は約163億ドルで、前年同期の11億ドルから16倍以上の急増となった。一方、計算資源とインフラへの支出は約90億ドルに達し、2025年通期の73億ドルを上回った。同期の純損失は807億ドル(前年同期は130億ドル)だが、このうち約720億ドルは転換社債などの公正価値変動に伴う会計上の費用だという。
計算資源の確保は大きな課題となっている。クラウド契約の支払い義務は今後7~10年で約4500億ドルにのぼり、大半は解約できない。主な契約は、Googleが1110億ドル、Amazon Web Servicesが1100億ドル、Microsoftが310億ドルで、いずれも「実際の利用量にかかわらず」支払う契約だという。
このほか、NscaleとLambdaからNVIDIA製のチップを借りる契約で最大860億ドルを支払う。Broadcomを通じたGoogle製チップのリース(1600億ドル超)を含めると、将来のインフラ費用は6000億ドルを超える。さらに最大1500億ドルの上積みにつながる契約を交渉中とされる。
リスク要因としては、上半期売上の約5分の1が2顧客に集中していること、AIモデルが引き起こす損害について同社が賠償責任を負う場合があること、データセンター建設への反対運動が組織化していることなどが挙げられている。IPOで評価額が2兆ドルに達する可能性があるとも伝えている。Wall Street Journalが10月20日付で報じている。