マネーフォワードは2026年10月21日、「企業のAI利用・支出管理に関する実態調査」の結果を発表した。この調査は、AIツールの導入、契約、予算、支払い、管理に関与する担当者520名を対象に、2026年9月25日から28日にかけてインターネットリサーチで実施したものとなる。

この記事のまとめ

・企業におけるAIツール・サービスの76.9%が部門、個人、チームなどの現場判断で導入
・従業員の個人カードによる支払いは25.6%、コスト管理に課題を感じる割合は77.5%
・重複契約や費用配分、利用量の急増、予算超過などへの包括的な管理が課題に

76.9%が現場判断でAIツールを利用

勤務先でのAIツールの利用状況を尋ねたところ、「部門単位で利用」が49.8%、「個人・チームの判断で利用」が27.1%で、合わせて76.9%が現場判断での利用だった。現場主導でAI活用が進む一方で、全社の管理が行き届きにくくなり、契約やアカウント、支払い情報が分散しやすい環境になっているとマネーフォワードは分析している。

  • AIツール導入の76.9%が現場主導。マネーフォワード調査から77.5%がコスト管理の課題を抱えていることが判明

    勤務先における、AIツール・サービスの利用状況(n=520)

支払い手段も費用の負担部門も分散

支払い手段(複数回答)は、会社共通の法人カードが32.5%、クラウド・ライセンス費用への合算が32.1%、部署・チームごとに発行された法人カードが28.3%、請求書払いが27.3%だった。一方で、従業員の個人カードによる支払いが25.6%、会社で精算を行わない従業員の個人負担が25.4%あり、4人に1人以上で個人による立て替えが発生している。

  • AIツール導入の76.9%が現場主導。マネーフォワード調査から77.5%がコスト管理の課題を抱えていることが判明

    AIツール・サービスの支払い手段(n=520 ※複数回答)

費用の負担元(複数回答)も一様ではない。情報システム・IT部門が32.1%、DX推進・AI活用推進等の専用部門が30.6%、会社全体の共通予算が29.0%、AIツールを利用する各事業部門・現場の部署が28.5%と、ほぼ横並びで分散していた。同社は、支出元が分散することでツールごとの契約状況や支出額を把握しにくく、予実管理にも手間がかかっているとみている。

  • AIツール導入の76.9%が現場主導。マネーフォワード調査から77.5%がコスト管理の課題を抱えていることが判明

    AIツール・サービスの利用料金を負担している予算部門(n=520 ※複数回答)

77.5%がコストの把握・管理を課題視

AI利用コストの把握・管理について尋ねると、「大きな課題となっている」が20.0%、「やや課題となっている」が57.5%で、合わせて77.5%が課題を感じていると回答した。

  • AIツール導入の76.9%が現場主導。マネーフォワード調査から77.5%がコスト管理の課題を抱えていることが判明

    AI利用コストの把握・管理における課題感(n=520)

具体的な組織課題で最も多かったのは、「同じ用途のツールを重複して契約している」の26.3%である。次いで費用の割り振り、利用量の急増、予算超過の検知、未使用契約、費用対効果の説明などに回答が分かれた。同社は、支払い金額だけでなく、重複契約の有無や効果的な費用配分、契約者の異動・退職情報の把握まで含めた、包括的な可視化と管理体制の構築が求められるとしている。

  • AIツール導入の76.9%が現場主導。マネーフォワード調査から77.5%がコスト管理の課題を抱えていることが判明

    AIツールの契約・支払い・コスト管理における組織的な課題(n=520)

利用量(トークン)も含めた管理が必要に

マネーフォワードiの今井義人社長は、課題の背景には「全社的な支出の全体像が見えない」「部門や利用者ごとの費用を適切に割り振れない」といった、現在の管理構造の限界があると指摘する。現場にコスト意識を求めても、決済手段や支出元がばらばらでは管理に限界があるため、属人的な管理から脱却し、「誰が・どのツールに・どれだけ使っているか」を一元的に可視化する仕組みが急務だという。

また、AIは使用するモデルやトークンの消費量が利用金額に影響する特性を持つ。このため今後は、支出に加えて利用量の可視化とマネジメントも同時に進める必要があるとの見方を示した。同社グループは「マネーフォワード クラウドAIトークン管理」や「マネーフォワード ビジネスカード」の提供を通じて、企業のAIコストマネジメントを支援していくとしている。