Anthropicは10月16日、AIが同社の仕事と雇用をどう変えたかを分析したレポート「How employment is changing at Anthropic」を公開した。従業員1人あたりの売り上げが急成長期のMetaやGoogleの2~4倍に達する一方、ジュニア技術職の採用比率が大きく低下していることなどが明らかになった。
AI活用で生産性向上、従業員1人あたり売上はGoogle・Metaを上回る
同レポートは、AI導入の最前線にある同社を経済全体の働き方や採用、労働需要の変化を占う先行指標と位置づけ、社内の雇用データやAI利用状況、成果指標、従業員調査、採用判断の記録に加え、17人の従業員へのインタビューを基にまとめたもの。
創業から5年のAnthropicは急成長を続けているが、売り上げに対する採用数は先行する大手テック企業より少ない。MetaやGoogleが急成長のピークにあった時期と比べても、従業員1人あたりの売上は2~4倍に達するという。
一方で、採用の中身も変わっている。技術部門に占めるジュニア(若手)層の比率は、2025年初めの21%から14%へ低下した。ジュニア技術職の採用比率の落ち込みはさらに大きく、27%から9%に減っている。
ジュニア向けの求人も2025年12月以降に急減した。社内で若手技術職の需要低下が議論され始めたのは2026年1月で、コードの作成やバグの発見をClaudeに任せられるようになったことが背景にある。
採用基準も変化、自律性や判断力をより重視
4月にはエンジニアリングと研究の各チームが下位等級の技術職の採用を重視しなくなり、同月の調査ではMLマネージャーの約3分の1、SWEマネージャーの約5分の1が、AIの影響で採用を減らしたと回答した。
レポートはこのほかにも、AIエージェントの稼働時間が人間の6倍に達したこと、人間の注意力がボトルネックになり「メタワーク」が増えていること、採用で自律性や判断力がより重視されるようになったこと、株式の共有や社内再配置といった雇用主への示唆などを報告している。