NECは10月20日、業務でAIを利用している22〜59歳の男女513人を対象にした「働く人のAIとウェルビーイングに関する意識調査」の結果を公開した。業務でのAI活用に満足している人が66.9%に達する一方、AIを活用した現在の仕事に幸福感・充実感を感じている人は49.7%にとどまり、両者の間に17.2ポイントの差があったという。

  • 業務でのAI活用への満足度と幸福感・充実感の比較

    業務でのAI活用への満足度と幸福感・充実感の比較

なお、調査は2026年7月、インターネットによるアンケートで実施した。対象は全国の22〜59歳の男女で、従業員数50人以上かつ年間売上高10億円以上の組織・団体に勤務し、業務でAIを利用している人。有効回答数は513人。

調査は、業務でのAI活用が働く人の満足感・幸福感・達成感にどのような変化をもたらしているかを明らかにする目的で実施された。同社が2026年9月に発表した「AIとウェルビーイングに関する生活者調査」に続く、法人・ビジネスパーソン編との位置づけだ。

AI活用への満足度の内訳は「非常に満足」が15.8%

AI活用への満足度の内訳は「非常に満足」が15.8%、「やや満足」が51.1%。満足度と幸福感の2指標を掛け合わせると、「満足していて、幸福でもある」人は4割強だった。一方、「満足しているのに幸福感は上がっていない」人は23.0%で、約4人に1人は効率には満足しているものの、幸福感は得られていないという

組織のAI活用環境については、「状況に応じたルール見直し」「使い方を議論する場」「任せる範囲の共有」「現場の声のルールへの反映」の4項目を設定して調べた。いずれにも当てはまらない人の幸福感は25.8%と全体平均の49.7%を大きく下回ったが、1項目でも該当する人では45.6%、4項目すべてに該当する人では73.9%に達した。ただし、4項目すべてが整っていると回答した人は全体の30.6%にとどまった。

  • 企業によるAI活用ルールの整備状況と幸福感の関係

    企業によるAI活用ルールの整備状況と幸福感の関係

AIによる効率化「人にしか出せない仕事の強化」が35.5%

AIによる効率化で生まれた時間をどのような価値創出に転換したいかを尋ねたところ、「人にしか出せない仕事の強化」が35.5%で最多となり、「より創造的な仕事」「新しい挑戦の時間・機会」がそれぞれ3割程度で続いた。一方、「効率化が目的なので、そこは考えていない」は10.3%だった。

しかし、実際に生まれた時間を「すでに価値創出に活かせている」と回答した人は15.4%にとどまり、「やりたいが、そのための仕組みや受け皿がない」とする人が27.5%にのぼった。幸福感を感じている人の割合は、価値創出に活用できている層が84.8%だったのに対し、意欲はあるものの受け皿がない層では31.2%と、53.6ポイントの差があった。同社は、AIによる効率化で生まれた時間を新たな価値創出につなげるため、組織には「効率化の先の設計」が求められると指摘している。

  • AIによる効率化で生まれた時間の使い道と組織の実態

    AIによる効率化で生まれた時間の使い道と組織の実態

また、AIによって社会がさらに変化した5〜10年後にどのような働き方を重視するかを調べたところ、回答者は6つのタイプに分類された。22〜59歳の就業者全体(約5000万人)を母数とした推計では、最も多かったのは「仕事も生活も派(ワークライフバランス志向)」の20.7%で、「様子見派(ニュートラル)」が20.5%、「腕で生きる派(プロフェッショナル志向)」が16.0%で続いた。

このほか、「やっぱ人でしょ派(ヒューマンタッチ志向)」が15.8%、「社会のために派(ソーシャルグッド志向)」が14.8%、「成長大好き派(ステップアップ志向)」が12.3%だった。同社は、求める働き方によってAIに期待するものも異なり、組織がすべきことや必要なAIの設計も一様ではないとしている。

  • 5〜10年後に重視する働き方を6つのタイプに分類

    5〜10年後に重視する働き方を6つのタイプに分類