LGエレクトロニクス・ジャパンは9月10日、同社のスマートテレビが周辺の音声を継続的に収集、録音、送信しているとの一部報道について、「そのような内容は事実とは異なる」とする見解を発表した。LGエレクトロニクスも9月12日(現地時間)、「STATEMENT: UNDERSTANDING PRIVACY ON LG SMART TVS」において、グローバル向けにより詳細な声明を公開。音声認識や自動コンテンツ認識(ACR)、ネットワーク上のデバイス探索、近隣のWi-Fi情報の取り扱いなどについて説明した。
これは同社のスマートテレビによるネットワーク情報の収集や、改造したテレビを使った盗聴の可能性などを指摘した調査報告を受けたものだ。調査はGamers Nexus、Level1Techs、独立系セキュリティ研究者の共同調査によって実施され、重大な脆弱性や盗聴の可能性も指摘されていた。グローバル向けの声明では、日本法人の発表よりも詳細な説明が加えられている。
「会話を継続的に録音・送信することはない」と説明
調査報告ではネットワーク情報の送信に加え、不正改造によって画面がオフの状態で盗聴および録音できることが示されていた。しかしながらLGによると、一部報道では「不正改造」が必要という条件が十分に伝えられず、通常の状態でも盗聴できるとの誤解を招く内容になっていたという。
LGは今回の声明で、こうした報道について「誤解を招く」として説明している。同社発表の概要は次のとおり。
- 同社のスマートテレビはユーザーの会話を継続的に録音および送信することはない
- 音声入力処理は、ユーザーの起動ワードを通じて有効にするか、リモコンの音声またはAIボタンを押すことでのみ開始される
- 起動ワード検出に使用する音声入力は、テレビ内で処理される。認識できなかった音声を変換、保存、送信することはない
- 音声認識に関する技術ログを生成することがある。しかしながら、これらログは特定の音声対話に関連するものであり、アクティブでない時間帯に会話を継続的に録音していることを意味しているわけではない
- 音声認識の結果を関連機能のサポートに使用することはあるが、後で隠れてアップロードするようなことはしない
- 自動コンテンツ認識(ACR: Automatic Content Recognition)機能、音声認識、パーソナライズされた広告はオプションとして提供している。デフォルトで有効になっておらず、テレビ設定から調整できる
- 自動コンテンツ認識で画面録画、ビデオ録画、音声録音などを収集することはない。視聴分類、視聴トレンド分析などに利用する
- LGのプライバシー保護は、同社の基本原則に定めている
ネットワーク情報の収集は否定せず
この声明ではネットワーク情報の収集を否定していない。「家庭内のさまざまなデバイスやサービスと連携する設計」と述べ、互換性のあるデバイスの探索を行うと明らかにした。
デバイス探索によって得た情報は接続関連機能のために使用し、世帯のプロファイリング、デバイス間ターゲティング、広告セグメンテーションには使用しないとしている。一方、今回の声明では、調査報告で指摘されたデータ送信について全面的に否定する説明はしていない。
また、近隣のWi-Fiアクセスポイント情報や信号強度情報も処理している。ACRが利用可能かつ有効になっている市場では、関連する契約への同意を条件に、テレビのおおよその位置を推定するために使用することがあるという。
重大な脆弱性に関する新たな発表はなし
研究者によって特定されたリモートコード実行(RCE: Remote Code Execution)に関する重大な脆弱性について、今回は新たな発表を確認できなかった。一方、同社は外部のセキュリティ研究者と連携して報告された問題を調査し、必要に応じて緩和策やソフトウェアアップデートを提供すると説明。対象となるテレビ製品には、該当するwebOSプラットフォームの初回リリースから最大5年間、セキュリティアップデートを提供するとしている。
