この半導体ニュースのまとめ

・RSテクノロジーズが中国プライムウェハ事業の具体的な組織再編方針を決定
・GRITEKが8インチ事業のSDGRITEKと12インチ事業のSGRSを完全子会社化
・株式交換と現金支払い、新株発行を組み合わせ、2027年の再編完了を予定

RSテクノロジーズ(RSテクノロジーズ)は9月11日、中国で展開するプライムウェハ事業の組織再編について、具体的な実施方針を決定したことを発表した。

同社は8月31日、連結子会社で上海証券取引所の科創板市場に上場する有研半導体硅材料(GRITEK)が、8インチプライムウェハ事業を手掛ける山東有研半導体材料(SDGRITEK)と、12インチプライムウェハ事業を手掛ける山東有研艾斯半導体材料(SGRS)を完全子会社化する再編の検討開始を公表していた。

その後、対象企業の監査や評価、デューデリジェンスを含む具体的な検討を進め、9月11日に開催したRSテクノロジーズとGRITEKの取締役会で、両社の完全子会社化、既存株主との株式譲渡契約、新株発行による資金調達の実施方針を決議したという。

8インチと12インチのプライムウェハ事業を一体化

今回の組織再編では、GRITEKの傘下へ8インチと12インチのプライムシリコンウェハ事業を集約する。

GRITEKは、シリコンウェハのほか、CZインゴットとFZインゴットの製造、販売、開発を手掛けており、RSテクノロジーズが直接・間接保有分を合わせて39.1%を出資している。議決権比率は57.1%で、RSテクノロジーズの連結子会社に位置付けられる。

SDGRITEKは8インチを中心とするプライムシリコンウェハやインゴットを製造・販売している。一方、SGRSは12インチプライムシリコンウェハと12インチテストウェハを手掛ける。

再編後は両社をGRITEKの完全子会社とし、ウェハ口径ごとに分かれていた経営体制を一体化する。経営管理と意思決定の効率化に加え、調達、生産、販売におけるシナジーの創出、顧客基盤の相互活用、サプライチェーンの強化を進め、プライムウェハ事業の競争力向上につなげる。

SGRSの残る71.89%を取得

GRITEKは現在、12インチ事業を担うSGRSの持分を28.11%保有している。

今回の再編では、中国有研科技集団と徳州匯達半導体股権投資基金から、残る71.89%を取得する。対価にはGRITEK株式と現金を組み合わせ、取引完了後はSGRSを完全子会社とする。

SGRSの2025年12月期業績は、売上高が2億800万元、営業損失が2億100万元、当期純損失が1億6800万人民元。総資産は25億800万人民元、純資産は22億7500万人民元となっている。

RSテクノロジーズはSGRSへ間接的に11.0%を出資しており、議決権比率は28.1%。同社はSGRSから12インチテストウェハを購入している。

SGRSをGRITEKの完全子会社とすることで、12インチプライムウェハ事業の経営判断を迅速化するとともに、GRITEKやSDGRITEKが持つ製造、販売、顧客基盤との連携を強める。

SDGRITEKの残る14.98%を株式交換で取得

8インチ事業を担うSDGRITEKについては、GRITEKがすでに85.02%の持分を保有している。

GRITEKは徳州経済技術開発区景泰投資有限公司から残る14.98%を株式交換によって取得し、SDGRITEKを完全子会社化する。

SDGRITEKの2025年12月期業績は、売上高194億8400万円、経常利益59億6100万円、当期純利益52億9900万円。総資産は803億9600万円、純資産は712億2300万円となっている。

RSテクノロジーズのSDGRITEKに対する間接出資比率は33.3%で、議決権比率は85.0%。RSテクノロジーズは同社から半導体シリコン材料を購入している。

収益を確保している8インチ事業と、今後の拡大を目指す12インチ事業を同一の経営体制へ集約することで、製造能力や顧客基盤を相互に活用しやすくする狙いがある。

現金対価や設備投資に向け新株を発行

GRITEKは組織再編に併せ、新株発行による資金調達を実施する予定である。

調達資金は、SGRSの持分取得に伴う現金対価のほか、対象会社の運転資金、債務返済、設備投資などへ充当する。

ただし、対象企業に対する監査、評価、デューデリジェンスは継続中であり、最終的な取得価格や、対価に占める株式交換と現金支払いの割合は確定していない。新株発行による調達額や具体的な資金使途についても、GRITEKが今後公表する重大資産再編報告書などで明らかにする予定である。

本件は中国の関連規定に基づく重大資産再編と関連当事者取引に該当する一方、再編上場には該当しない。

2027年の再編完了を予定

組織再編は、上海証券取引所の審査通過や中国証券監督管理委員会による登録への同意などを前提に、2027年の完了を予定している。

GRITEK株式は再編の検討に伴い、8月31日の市場開始から10営業日にわたって取引を停止していたが、9月14日から売買を再開した。

再編完了後もGRITEKはRSテクノロジーズの連結子会社として維持され、同社による支配権に変更はない。ただし、株式交換と資金調達に伴う新株発行によって、RSテクノロジーズのGRITEKに対する持分比率は変動する見込みである。

再編の完了が2027年となるため、2026年12月期の連結業績に与える影響は軽微となる見通し。RSテクノロジーズは、8インチと12インチのプライムウェハ事業をGRITEK傘下へ集約し、中国事業の運営効率と供給体制を高めることで、シリコンウェハ市場における競争力と企業価値の向上を目指すとしている。