このヒューマノイドロボットニュースのまとめ
・2026年の中国のヒューマノイドロボット市場は150億元に達するとTrendForceが予測
・ただし、売上高は伸びているが収益性に課題
・収益を伸ばすためにはロボットの性能向上のみならず、実用タスクでの利用が可能であることを示し、リピート注文を得ることが重要と指摘
ヒューマノイドロボットが、陸上競技や球技などを競う「第2回世界ヒューマノイドロボット競技大会」が8月に中国の北京で開催され、中国の北京人形機器人創新中心が開発した「天工ウルトラ(Tiangong Ultra)」が100m走でウサイン・ボルトが持つ人間の世界記録を上回る9秒39を記録するなど中国勢の技術的成長を示した。今や、ヒューマノイドロボット市場の97%以上(出荷台数ベース)が中国勢だという。
市場調査会社TrendForceによると、中国ではヒューマノイドロボットが自動車、3C(Computer、Communication、Consumer)エレクトロニクス、航空宇宙、物流、エネルギーなど幅広い産業で活用されつつあり、2026年の市場規模は150億元(約3550億円)に達し、2027年も少なくとも前年比60%以上で成長することが見込まれるとしている。
また、8月開催の2026年世界ロボット会議(WRC)では、商業的な成功に向けて調達交渉と業界サプライチェーンをまとめた「調達デー」が導入されるなど、業界の焦点が技術披露から実需要へシフトしていると指摘。最近、Unitreeは垂直に2m跳べ、時速45.6kmで走れる新型ロボット「Superman(スーパーマン)」の動画を公開したが、こうしたロボットの性能向上を示す取り組みに対し、市場は実際に商業適用できるかどうかを注視するようになっており、ベンダ側は資材運搬、品質検査、物流といった実用的なタスクに使えることを見せる必要が出ているとする。
主な中国ベンダの動きとしては、AgiBotは2026年6月時点で累計1万5000台のロボットを生産、3C製造分野への事業拡大に注力し、日本での拡販にも注力している。UBTECHはエアバスなどが導入しており、等身大ロボットのU1は予約注文だけで6月末までに1万3361台に達した。Galbotは車載電池メーカーのCATL(寧徳時代新能源科技)と提携し、同社工場へのロボットの投入といった動きを見せている。
課題は利益をどう確保するのか
TrendForceは、中国ではヒューマノイドロボットの導入が拡大しつつあるも、その普及は正式調達、事前注文、意向表明、アプリケーションパートナーシップなど、さまざまな段階で留まっており、市場としてリピート調達が行われる状況には至ってないと指摘。顧客が運用を経て妥当な投資効率かを見極め、リピート注文に至るかが各メーカーの収益を伸ばすことにつながるとしている。
例えばUnitreeは、8月19日に上海証券取引所(STAR市場)に上場し、時価総額が一時は4449億元に達するなど、ロボット産業の成長に対する市場からの期待を反映した様子を見せたが、同社の業績は2025年の売上高は前年比3倍以上の16億9900万元、2026年上半期も前年同期比36~45%増と予測される一方、純利益は同6~22%減と見込まれている。
すでに同社は2026年第1四半期の利益を前年同期比52.55%減とし、大手でも収益性に課題があることを示している。そのためTrendForceでは、ロボットの性能以上に、市場として顧客が確実におり、継続的に大量導入が期待される製品を優先しつつ、並行してリピート注目を獲得できるかどうかも評価する必要があると提言しており、中国のヒューマノイドロボット産業の未来は、技術革新のみならず、安定した収益の確保にも左右されることになるだろうとしている。
