この半導体ニュースのまとめ

・AlteraがAgilex FPGAにおけるDDR5、LPDDR5、LPDDR5X互換メモリ対応を拡大
・Agilex 7 MシリーズはDDR5-6400とLPDDR5-6400に対応し、合計最大204.8GB/sを実現
・メモリの選択肢を広げ、AIやネットワーク機器の性能向上と供給安定化を支援

Alteraは、FPGA開発ソフトウェア「Quartus Prime Pro Edition Software 26.1.1」の提供を開始し、同社のAgilex FPGAポートフォリオにおけるDDR5、LPDDR5、LPDDR5X互換メモリへの対応を拡大したことを発表した。

今回のアップデートにより、より多くのAgilex FPGAでDDR5世代の半導体メモリ(DRAM)を利用できるようになり、AI、ネットワーキング、組み込みシステムの開発者は、メモリ帯域、消費電力、基板面積、部品の供給状況に応じてメモリアーキテクチャを設計できるようになる。

Agilex 7 MシリーズはDDR5-6400とLPDDR5-6400に対応

Quartus Prime Pro Edition Software 26.1.1では、「Agilex 7 Mシリーズ」がDDR5-6400およびLPDDR5-6400に対応した。AI、ネットワーキング、組み込みシステムなど、大容量データを扱う用途に向けてメモリ帯域を拡大する。

対応するAgilex 7 Mシリーズの構成では、DDR5またはLPDDR5を最大6400MT/sで利用でき、合計最大204.8GB/sのメモリ帯域を実現するという。AI処理や高速パケット処理など、FPGAと外部メモリの間で大量のデータを転送する用途において、処理性能の向上につなげる。

FPGAをAIアクセラレータやインテリジェントエッジ機器に利用する場合、演算回路を柔軟に構成できる一方、外部メモリとの間のデータ転送がシステム性能を制約する可能性がある。DDR5世代の高速メモリへの対応拡大は、FPGAの並列演算能力を生かすうえでも重要となる。

Agilex 3にLPDDR5対応を追加

また、併せて「Agilex 3」にもLPDDR5対応が追加された。すでにDDR5およびLPDDR5をサポートする「Agilex 5」と合わせ、Agilexポートフォリオの複数階層でDDR5世代のメモリを選択できるようになった。

LPDDR5は、高いメモリ帯域を確保しながら消費電力を抑えやすく、実装面積の制約が厳しいエッジ機器や組み込みシステムなどに適する低消費電力メモリ。Agilex 3でLPDDR5を利用可能にすることで、開発者は必要なロジック規模や性能、消費電力、コストに応じてFPGAとメモリの組み合わせを選択できるようになり、さまざまなユースケースにおいて、DDR5世代の帯域を活用することが期待できるようになると同社では説明している。

LPDDR5互換モードでLPDDR5Xデバイスも利用可能に

さらに、Quartus Prime Pro Edition Software 26.1.1では、対応するAgilex 5およびAgilex 3について、LPDDR5互換モードにおけるLPDDR5Xメモリデバイスとの互換性も文書化された。

LPDDR5X対応メモリをLPDDR5互換モードで利用できるようにすることで、顧客は既存のLPDDR5実装との互換性を維持しながら、調達可能なメモリデバイスの選択肢を広げることができるようになる。ハードウェアを再設計せずに認定済みメモリの調達先を増やせるため、部品供給の柔軟性や長期的な供給安定性の向上につながることが期待される。

AIとインテリジェントエッジ向けの設計自由度を拡大

なお、同社ではAIおよびインテリジェントエッジ用途では、より広いメモリ帯域と設計自由度が求められており、そうした高性能が求められる用途ではAgilex 7 Mシリーズと高速なDDR5を組み合わせて対応しつつ、消費電力や基板面積が重視される用途ではAgilex 3やAgilex 5とLPDDR5を組み合わせるといった柔軟な選択を提供する重要性を強調している。

すでにQuartus Prime Pro Edition Software 26.1.1は提供開始済みで、開発者は最新版をダウンロードすることで、Agilexポートフォリオに追加されたDDR5-6400、LPDDR5-6400、LPDDR5X互換メモリ対応を利用できるようになるという。