Windows Latestは8月5日(現地時間)、「Microsoft just deleted Windows 11's 32GB RAM recommendation docs, as prices soar and it rushes to sell 8GB RAM PCs」において、MicrosoftがWindows 11の推奨メモリから32GBをひっそりと削除したと伝えた。
これまで同社はゲーム利用において、多数のゲームは16GBで十分、高スペックを要求するタイトルは32GBが最適としていた。ところが最近になり、同様の内容を伝える複数の公式ドキュメントが削除されたという。
Windows 11のメモリ使用量を削減する方針
Microsoftは現在、同社のノートパソコンの一部機種で8GBメモリを搭載した廉価モデルを出荷している。デバイスを入手した専門家の間では、Webブラウジングやメールであれば快適に利用できる一方、多数のタブを開いたり画像・動画編集を行ったりするにはメモリ不足との評価が大勢を占める。
メモリ不足に陥りやすい要因としては、Windows 11の標準インタフェースがWebUI(WebView2など)で構成されていることが挙げられる。WebUIは開発コストを削減できるが、消費リソースが大きく動作が遅いというデメリットを兼ね備える。
Windowsユーザーの不満が高まり、改善が必要と判断したMicrosoftは、8GBで日常利用における高速かつ応答性の高い動作を実現する方針を打ち出した。今回の公式ドキュメントの削除は、この流れに沿った動きと言える(参考:「Windows quality: an update on the commitment we made in March | Windows Insider Blog」)。
PC価格の高騰で8GBモデルが再び主流に
従来のPCパーツは性能の向上とともに価格が低下する傾向にあった。同じ価格でもしばらく待つと上位のパーツを入手できたため、ソフトウェア開発の現場では努力してリソース消費を抑えても得にならないとの考えが広まった。
次第にハードウェアの性能向上に依存する傾向が強まり、この流れが状態化すると開発コストを抑えられるWebUIに注目が集まった。このような状況の中、生成AIが登場した。
生成AIの普及に伴い、AIデータセンター向けGPUやHBM(広帯域メモリ)の需要が急増した。これによりメモリをはじめとする一部PCパーツの価格が上昇し、PCメーカーは製品価格の維持が難しい状況に直面した。その結果、各社は価格を抑えた8GBメモリ搭載モデルを投入するようになり、Windows 11でも限られたメモリで快適に動作することが従来以上に重要な課題となった。
Microsoftもこうした市場環境を踏まえ、一部ノートPCで8GBメモリ搭載モデルを投入している。一方で、8GB環境でも快適に利用できるようWindows 11自体の最適化も進めており、今回の推奨メモリ容量に関する記述の見直しは、その方針を反映したものとみられる。
WinUIに移行する計画
MicrosoftはWindows 11のメモリ使用量を削減するために、WebUIへの依存度を下げ、ネイティブフレームワークのWinUI(旧称: WinUI 3)に移行する計画だ。不足するコンポーネントなどが複数確認されていることから、現在はこれらコンポーネントの追加を進めている。
また、Windowsの標準インタフェースはWinUIになるとアナウンスし、この方針は変更されないと発表。外部の開発者に対してもWinUIへの移行を促している。同社は年内の目標達成を掲げており、Windows 11の最適化は急ピッチで進むことが予想される。
