Windows Latestは8月3日(現地時間)、「Linux didn't just eat 10% of Windows market share, AI bots are inflating the numbers」において、北米でLinuxのデスクトップシェアが10%を超えたとの話題について、AIボットのアクセスが統計に影響した可能性があると報じた。

Windowsのシェアが低下したとの見方については統計の解釈を誤りだと指摘。AIボットによるアクセス増加が数値を押し上げた可能性が高いと述べている。

AIをLinuxとして計上している可能性

話題の発端は、オンライン統計サービス「StatCounter」の公開データだ。SNSや技術系コミュニティでは、Linuxの北米シェアが10.65%に上昇、Windowsが57.54%まで低下したとの画像が拡散した。しかし同じ集計結果にはOS Xが21.14%、macOSが8.6%と表示されており、2016年に名称変更されたOS Xの比率がmacOSを上回る不自然な内容になっている。

  • StatCounterによる北米のデスクトップOSシェア(2026年7月)

    StatCounterによる北米のデスクトップOSシェア(2026年7月)

StatCounterの統計データは、Webサイトのアクセス履歴から算出される。月間30億ページビュー以上の履歴が分析の対象で、分母が大きいことからある程度の信頼性があると評価されてきた。しかしながら、AIの登場によって状況は変わりつつあるようだ。

StatCounterは主にWebブラウザのUserAgent情報を収集している。この情報にはWebブラウザの種類、OS、バージョン情報などが記録されており、これを分析することで各種統計を算出している。

AIエージェントやボットによるWebアクセスでは、一般的なWebブラウザとは異なるUser-Agentが送信される場合がある。AIサービス名や互換性のためのブラウザ情報は含まれていても、OS情報が含まれないケースもあり、その場合はOSを正確に判別できない。Windows Latestは、このようなアクセスがLinuxとして集計された可能性があると指摘している。

StatCounterが採用している実際のOS判定方法は定かでないが、Windows Latestの記者はAIアクセスをLinuxとして計上したと指摘。WindowsやLinuxのユーザー数が変化したわけではなく、AIアクセスの増加によって統計上のLinuxシェアが変化したと述べている。

Cloudflare Radarで検証、人間のみではLinux急増は確認できず

記者は自説の正しさを証明するため、代替データとしてCloudflare Radarも検証した。Cloudflare Radarの統計データにおいても、北米のLinux比率が16%、Windowsが55%前後まで低下したように見える。しかし、この集計にはAIおよびボット通信が含まれている。

そこで人間とボットを分離する機能を利用し、人間のみのデータでグラフを再表示した。すると過去3カ月平均でLinuxは約4.7%、Windowsは約65%、macOSは約28%となり、Linux急増は確認できないことが判明した。

一方、Windows Latestは、市場シェアを論じる際にはページビュー統計を実際の利用者数と同一視すべきではないと指摘する。AIボットの増加がインターネット全体のアクセス統計に影響を与えつつあることから、統計データを評価する際には集計手法や対象を確認する必要があるとしている。