この環境技術ニュースのまとめ
- ヤンマーエネルギーシステム、東京ガス、東京ガスエンジニアリングソリューションズの3社が、既設ガスコージェネレーションシステムへの実機適用を見据えた水素混焼の実証試験に成功
- 「今ある設備を活用しながら水素利用に取り組みたい」という顧客のニーズに対応。低炭素化の裾野を広げ、カーボンニュートラル社会の実現に寄与
ヤンマーエネルギーシステム、東京ガス、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)の3社は、既設ガスコージェネレーションシステムへの実機適用を見据えた水素混焼の実証試験に成功したと7月13日に発表。今後、顧客のニーズに応じて個別案件ごとの技術検討を進めていく。
実証試験は、東京ガス千住テクノステーション(東京・荒川区)において、ヤンマーエネルギーシステム製のガスコージェネレーションシステム「EP370G」(都市ガス仕様)と、東京ガスとTGESが構築した水素供給設備を対象とし、既設機器を現地改造して実施。出力370kWで、水素混焼率は最大20%としている。
実験の結果、都市ガス専焼時の運用性および環境性能を損なわずに水素混焼を行うことと、水素供給停止時にも都市ガス専焼に切り替えて運転を継続することの2点に成功。これにより、既設機器に対しても適用に向けた検討を行うことが可能な段階になったとのこと。
総合効率を高めた中小型コージェネレーションシステムであるEP370Gは、東京ガスとヤンマーエネルギーシステムの共同開発のもと、業務用・産業用の設備として広く導入されてきたという。
今回の実証試験は、同システムの既設設備を対象に、大規模な設備改修を伴わない現地改造による水素混焼の適用を想定したもの。これにより、「今ある設備を活用しながら水素利用に取り組みたい」という顧客のニーズに応えていく。
3社はこの取り組みを通じ、既設設備を活用した低炭素化の裾野を広げ、カーボンニュートラル社会の実現に寄与するとしている。
実証試験のポイントは以下の通り。
1. 都市ガス専焼時と同等の運用性・環境性能の維持
一般的に、水素混焼率の上昇に伴い燃焼の不安定性が高まり、個別の使用状況や条件に応じた制御ソフトの調整が必要となることから、水素導入のハードルは上がる傾向にある。
一方で、水素供給の確保が十分でない現状においても、既存設備を活用しながら脱炭素化を進めたいというニーズが高まっているという。
こうした背景を踏まえ、今回の実証では実運用への影響を最小限に抑える観点から検証を行い、都市ガス専焼時と同等の発電性能および低NOx性能を維持したまま、制御ソフトの改変を行わずに水素混焼率20%で運転できることを確認した。
2. 水素供給停止時に備えた都市ガス専焼への切り替えによる運転継続
実機への適用にあたっては、水素供給が途絶した場合においても安定的に運転を継続できることが重要となる。この実証では、水素供給が途絶しても、燃料の全量を都市ガスに切り替えて発電を継続できることを確認した。
