このカーエレクトロニクス関連ニュースのまとめ

・チューリングがシリーズAエクステンションラウンドで126.2億円を調達、シリーズA全体では278.9億円に到達
・AMD Ventures、三菱商事、三菱UFJ銀行、SUPERMICROなどが参画し、計算基盤や事業体制、人材採用を強化
・E2E自動運転システムとフィジカル基盤モデルの開発を進め、日本発の完全自動運転の社会実装を目指す

シリーズA全体で278.9億円を調達

Turing(チューリング)は7月6日、シリーズAエクステンションラウンドとして合計126.2億円の資金調達を実施したことを発表した。

内訳は、AMD Ventures、三菱商事、三菱UFJ銀行、SUPERMICROなど複数の事業会社および金融機関を引受先とする68.2億円の株式調達と、三菱UFJ銀行との58.0億円の融資契約である。これにより、2025年11月に公表した1st Closeの152.7億円と合わせ、シリーズAラウンド全体の調達額は278.9億円となった。

同社は2021年8月設立の完全自動運転システム開発企業で、東京都大田区の平和島に拠点を置く。今回の調達資金は、計算基盤の拡充、社会実装に向けた事業体制の強化、人材採用に充てるとしている。

E2E自動運転システムとフィジカル基盤モデルを開発

チューリングは、カメラから得た情報をもとに、認識、判断、車両制御までを一気通貫で担うE2E(End-to-End)自動運転システムを開発している。また、歩行者、標識、信号、道路状況などを言語的に理解し、複雑な運転シーンにも柔軟に対応するフィジカル基盤モデルの開発にも取り組んでいるとする。

生成AIや大規模言語モデルの発展を背景に、物理世界を理解し、判断し、行動へつなげるフィジカルAIへの注目が高まる中、自動運転はその代表的な応用領域の1つと認識されるようになってきている。

計算基盤・半導体・データセンターの連携を強化

今回のラウンドには、AMD VenturesやSUPERMICROといった計算基盤・半導体・サーバ関連企業の名前も含まれている。完全自動運転向けAIモデルの開発では、大規模な走行データの収集、学習、評価、シミュレーションが必要となるため、GPUやAIアクセラレータ、サーバ、ストレージ、データセンターを含む計算基盤が競争力を左右する。

チューリングの山本一成CEOは、完全自動運転を「人類のグランドチャレンジ」と表現し、日本からのアプローチで挑む姿勢を示している。今回のシリーズAラウンド完了により、計算基盤・半導体・データセンターのパートナーとともに技術開発を一段と進め、日本発の完全自動運転を社会に届ける考えだ。

完全自動運転の実現には、AIモデルそのものの高度化だけでなく、モデルを学習させるための計算資源、車載環境へ実装するための低消費電力・高信頼な推論基盤、実車での安全性検証、そして量産車両や交通インフラとの接続が必要となる。今回の調達は、こうした研究開発と社会実装の両面を支える資金となる。

日本発の完全自動運転スタートアップとして体制拡大へ

チューリングは、モデル開発から車両への実装までを自社で一貫して推進することで、あらゆる条件下で車が人間に代わって運転操作を行う完全自動運転の社会実装を目指している。

今回のシリーズAで調達資金については、計算基盤の拡充、社会実装に向けた事業体制の強化、そしてそうした取り組みを加速させる人材の獲得に活用していくと同社では方向性を示しており、イベントなども並行して開催していくことで、技術発信や採用などにつなげていく模様である。

日本発の自動運転スタートアップとして、チューリングがE2E自動運転とフィジカル基盤モデルをどこまで実車環境に落とし込めるかは、今後の完全自動運転開発における注目点となりそうである。