Microsoft、Google、Amazonは2025年から2026年にかけてAIインフラに計約1兆ドルを投資している。各社は消費水量などの情報を公開しているが、多くの企業はデータセンター施設内で直接消費する水量のみを開示しており、電力供給元の発電所で使用される間接的な水消費量まで報告しているのはMetaのみだという。

企業が開示する水消費量は実態の一部に過ぎない

データセンターの水消費としては、冷却系統などデータセンターの施設内で実際に使用される直接的なものと、データセンターに電力を供給する発電所側で使われる間接的なもののがある。

ローレンス・バークレー・ナショナル・ラボラトリーが2024年に実施した分析では、米国のデータセンターにおける間接的な水消費量は、直接消費量の約12倍に達するとされている。

オランダのアムステルダム自由大学 研究者のAlex de Vries-Gao氏による試算によれば、Googleの間接的水消費量は直接消費量の約3倍にのぼるほか、Metaの2024年の間接消費量は190億ガロンで、直接消費量の20倍以上に達したという。

また、Google、Amazon、Appleが使用電力量に相当する量の再生可能エネルギーを購入し、相殺(オフセット)していると説明しているが、これは実際に消費する電力そのものが再エネ由来であることを意味するものではないとしている。

16州の司法長官らは2025年、化石燃料による発電を再エネで相殺することと、実際にその発電源を置き換えることは同義ではないと批判する書簡に署名した。なお、再エネクレジットの購入は特定地域の水消費を相殺するものではなく、例えばネバダ州で河川が枯渇しても、ミシガン州の水資源豊富さでは補えないとのことだ。

水不足地域に集中するAIデータセンター、拡大する水資源への懸念

さらに、新設データセンターの約3分の2が米アリゾナ州フェニックスなど、降水量が少なく、干ばつが頻発するなど水ストレスの高い地域に集中しているとする分析を紹介。

非営利団体であるCeresの2025年の分析によれば、フェニックスにおけるデータセンターの直接・間接を合わせた水需要は現在、市全体の年間水使用量の約3%だが、2031年までに20%を超える可能性があり、これは市民が芝生や庭の緑地維持に使う水の総量に匹敵する水準だという。

こうした水需要の増加に対し、NVIDIAは追加の給水を必要としない閉ループ冷却システムを発表しており、Microsoftも2027年以降に新設するデータセンターへの同技術導入を表明済みだ。

ただし、既存施設の多くは水消費量の多い蒸発冷却方式を採用しており、改修には高いコストがかかるという。Wall Street Journal(WSJ)が7月3日付で報じている。