経営再建中の日産が反転攻勢へ 新車不足の日本で7車種投入

「大部屋活動」で変動費削減

 

「日産自動車という会社は危機的な状況になると頑張れる。危機や緊急事態など、過去にも自然災害があったが、そういった中で一番早くレスポンスしてきた。なぜなら従業員が共通の目標を目指していたからだ」 

 本誌のインタビュー取材で、このように強調するのは日産社長兼CEOのイヴァン・エスピノーサ氏。経営再建策「RE:NISSAN」では身の丈に合わない門構えを正すため、国内外で2万人の人員削減や7工場の閉鎖などの改革を実行中だ。 

 エスピノーサ氏は「1年間の取り組みで、既に固定費で2000億円以上の改善を果たし、変動費でも550億円以上の改善を果たしている」と語り、2年目も同じ目標を掲げて更に2500億円を改善すると話す。 

 経営再建策では2026年度までに固定費と変動費で計5000億円のコスト削減を目指しており、中でも変動費削減の中核を担っているのが全社横断で約3000人が参加する「大部屋活動」だ。 

 これに対しエスピノーサ氏は「以前まで従業員は縦割りで、同じ目標を掲げていなかった。各部門が独自の目標を掲げて、お互いに喧嘩しすぎたところもあった。今はそうではなく、お客様に集中し、会社にとって正しいことをやるという、あるべき姿になっている」と話す。 

 大部屋活動を通じて部品の共通化や工程の見直しなどコスト削減策や改善案が生まれる。それらが積み重なって先の変動費の削減につながった。それは数値にも表れている。同社の25年度の営業利益は580億円だったが、2860億円の米国関税を受けての数値となる。そのため、「3000億円以上の利益をあげている」(同)計算だ。 

 そんな日産も反転攻勢に動き出している。日本では1年間で7車種の新車を投入予定。軽自動車の「ルークス」から始まり、電気自動車「リーフ」、小型スポーツ用多目的車(SUV)「キックス」、ミニバン「エルグランド」と続き、冬場には新型「スカイライン」、SUV「エクストレイル」などが投入される計画だ。 

 日本では長らく新型車の投入がなかった中で、日産の浮揚の足がかりになるかが試される。

従業員のハピネスをスコア化する新たな取り組み トリドールホールディングス社長・粟田貴也の心的資本経営