名古屋市が全国136都市の中で総合2位――。森記念財団 都市戦略研究所が発表した「日本の都市特性評価2026」で、名古屋市が高い評価を得た。評価対象は「経済・ビジネス」「研究・開発」「文化・交流」「生活・居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野。
名古屋はなぜこれほど高く評価されたのか。最新データから、その強みを見ていこう。
名古屋が全国136都市で2位に
「日本の都市特性評価」は、各都道府県における主要都市を対象に、都市の力を定量・定性データをもとに相対的かつ多角的に分析し、都市の強みや魅力といった都市特性を明らかにすることを目的として調査研究を行ったもの。
都市の力を構成する要素として6分野(経済・ビジネス、研究・開発、文化・交流、生活・居住、環境、交通・アクセス)を設定し、それらの主要な要素である28指標グループ、さらにそれらを構成する87指標を選定した。
総合ランキングでは、名古屋市が昨年に続いて全国2位となった。トップは大阪市で、第3位以下は福岡市、横浜市、京都市、神戸市、札幌市、仙台市、金沢市、広島市と政令指定都市が並ぶ。
名古屋はなぜ2位? 「研究・開発」「生活・居住」に強み
では、名古屋市はなぜ全国2位という高い評価を得たのだろうか。6分野の評価を見ると、名古屋市の強みがはっきりと表れている。
名古屋市は「研究・開発」と「生活・居住」の両分野で1位を維持し、総合順位でも前年に続いて2位となった。
研究・開発では、大学数が1位、論文投稿数・特許取得数ともに2位と高水準を保った。生活・居住では「居住環境」や「生活の余裕度」が大きく改善した。また、交通・アクセスの「都市外アクセス」は首位に、文化・交流の「発信実績」は21位から14位に躍進した。
一方で、名古屋市はすべての分野で高評価を得ているわけではない。「環境」は113位と低く、「生活・居住」でも「安全・安心」や「育児・教育」で評価を落とした。強みと弱みがはっきりしている点も、名古屋市の特徴といえそうだ。
名古屋と上位都市は何が違う? それぞれの強みを比較
では、名古屋市の都市特性は、ほかの上位都市と比べてどのような違いがあるのだろうか。総合3位の福岡市、4位の横浜市と比較すると、それぞれの都市の強みがより鮮明になる。
3位の福岡市は、名古屋市とは異なり、「経済・ビジネス」の強さが目立つ。特区制度認定数、新規設立法人登記割合はいずれも1位を維持し、「ビジネス環境」の順位を上げた。
福岡市が強いのはビジネスだけではない。文化・交流では行楽・観光目的の訪問の多さ、国際会議・展示会開催件数においてスコアを伸ばし、「交流実績」が5位から4位に改善した。
一方、生活・居住では可処分所得や物価水準の低さにおける評価の低下が影響し、「生活の余裕度」のスコアをわずかに落とした。
4位の横浜市は「文化・交流」が強く、研究・開発でも存在感を高めている。景観まちづくりへの積極度と自治体SNSフォロワー数がいずれも1位、魅力度・認知度・観光意欲度も3位と多面的に安定した評価を得ている。
研究・開発では、トップ大学数と論文投稿数のスコアの伸びが、分野順位を3位へ押し上げた。生活・居住では、子どもの医療費支援において他都市の伸びによる相対的な順位低下が見られ、「育児・教育」の評価も3位から6位へ後退した。
総合順位では2~4位と僅差で並ぶ3都市だが、名古屋市は「研究・開発」「生活・居住」、福岡市は「経済・ビジネス」、横浜市は「文化・交流」と、それぞれ異なる分野に強みを持っていることがわかる。
あなたの街は何位? 日本136都市の評価を見る
ここまで上位都市を見てきたが、「日本の都市特性評価2026」の対象は全国136都市に及ぶ。総合順位だけでなく6分野の評価を見ると、それぞれの都市が持つ強みや特徴が浮かび上がってくる。
例えば東海地方に目を向けると、名古屋市以外にも浜松市が総合13位、岐阜市が19位と上位に入っている。
浜松市は「環境」が10位と高く評価された一方、「交通・アクセス」は92位。岐阜市は「生活・居住」が14位と、総合順位を上回る評価を得ている。
同じ東海地方でも、「研究・開発」と「生活・居住」で1位の名古屋市、「環境」に強みを持つ浜松市、「生活・居住」が比較的高い岐阜市と、都市によって強みは大きく異なる。
総合順位だけでなく、自分の住む街や働く街がどの分野に強みを持っているのか、見比べてみるのも面白いだろう。

