史上4度目となった世界的なサンゴの白化が、2025年の中頃にいったん終息したとする見解を、米海洋大気局(NOAA)が発表した。一方、今後数カ月間に、海面水温が上がるエルニーニョ現象が発生すると予想されており、白化が広範囲に再発する恐れがあるという。
同局によると、世界的なサンゴ白化現象は1回目が1998年、2回目が2010年、3回目が14~17年に発生。強いエルニーニョ現象と一致して広範囲に進み、深刻化してきた。
2023年初頭から25年半ばにかけ、4回目の世界的な白化が発生。白化を引き起こすレベルの昇温が太平洋と大西洋、インド洋のサンゴ礁の面積の実に84%に影響を与え、少なくとも83カ国・地域で大規模な白化が記録された。 昨年初頭の西オーストラリアでの深刻な白化の後、世界的な熱ストレスが減少し、白化の報告は散発的になっていた。人工衛星を含む観測の結果、同局は、世界的なサンゴ白化が昨年半ばに終息した可能性が高いと判断した。
しかし、今後数カ月で発生すると予想されるエルニーニョ現象の影響で海水温が上昇し、広範囲のサンゴ白化が再発する可能性がある。今夏の後半に、米ハワイを含む北太平洋の大部分や、フロリダ、カリブ海でリスクが高いという。エルニーニョ現象は、太平洋の日付変更線付近の赤道域から南米沿岸にかけて、海面水温が上がる現象だ。
4回目の白化が終わった後も、世界的なサンゴ白化が初めて発生した25~30年前より、海面水温が高いままだという。同局の担当者は「サンゴ礁がほぼ毎年、白化する時代になり、世界的な現象の始まりと終わりの定義が難しくなっている。その判断のため、白化現象の観測を進めていく」とする。また4回目の白化では、高い水温にさらされながらも、全てのサンゴ礁が白化した訳ではなかった。白化に抵抗する要因の解明が研究課題だという。
サンゴは刺胞動物の一種で、体内にいる褐虫藻が光合成で作る栄養で生活する。褐虫藻もサンゴから栄養を受けて共生関係が成立している。ところが海水温上昇などの環境のストレスを受けると、褐虫藻の光合成が損なわれ、褐虫藻が追い出されて、サンゴが白化してしまう。そのまま褐虫藻が回復しないと、サンゴは栄養失調に陥り死んでしまう。
同局は「サンゴ礁は海洋の健康状態を知る窓だ。波浪から沿岸を保護し、海洋生物の生物多様性を支え、観光や漁業で地域社会に経済的機会を提供している」とし、監視や保護の重要性を指摘する。
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