Windows Latestは6月5日(現地時間)、「Microsoft quietly dropped Copilot+ PC branding for Windows 11's powerful AI laptop, and it won't tell you why」において、Microsoftが最新のノートパソコン「Surface Laptop Ultra」で、従来のAI PCブランド「Copilot+ PC」への言及が確認されなかったと報じた。

  • MicrosoftはSurface Laptop Ultraを発表したが、「Copilot+ PC」表記は確認されていない(出典:Microsoft)

    MicrosoftはSurface Laptop Ultraを発表したが、「Copilot+ PC」表記は確認されていない(出典:Microsoft)

Surface Laptop Ultraを発表

Surface Laptop Ultraは今秋の発売が予定されているMicrosoftの最新ノートパソコンだ。NVIDIAの新型SoC「RTX Spark」を搭載し、最先端のパフォーマンスと携帯性を両立する。

最大1ペタフロップスのAI性能、最大128GBのメモリ、大容量バッテリー、約2.5倍に増強した放熱設計により、最新のローカルAIモデルの実行を可能にする。性能だけをみればCopilot+ PCの名を冠するべきと考えられるが、今回Copilot+ PCへの言及は確認されていない。

NPUの有無が理由ではない可能性

RTX Sparkは大容量メモリに対応し、高速なGPUを搭載することでAIワークロードの実行を可能にしている。発表資料ではAI処理能力やGPU性能が強調されている一方で、Copilot+ PCの要件に含まれるNPU(Neural Processing Unit:ニューラルプロセッシングユニット)については目立った言及が見当たらない。

そのため、Copilot+ PCの表記が使われなかった背景として、NPU要件を満たしていない可能性を指摘する見方もある。しかしながら、Signal65の代表取締役兼ゼネラルマネージャーを務めるRyan Shrout氏はXへの投稿で、Surface Laptop UltraはNPUを搭載しており、Copilot+ PCの要件を満たしていると説明している。

この情報が正しければ、Microsoftが今回Copilot+ PCというブランド名を前面に出さなかった理由は、NPUの有無以外にあることになる。

  • Ryan Shrout氏のXへの投稿

    Ryan Shrout氏のXへの投稿

Windows Latestは性能差が背景にあると推測

RTX Sparkは前述のとおり、高いAI処理性能を備える。一方、Copilot+ PCでは40TOPS以上のNPU性能が要件の1つとされている。ただし、RTX Sparkが示す1ペタフロップスという性能指標と、Copilot+ PC要件で使われるTOPSは前提が異なるため、単純に比較することはできない。

Windows Latestは、この性能や用途の違いが、MicrosoftがSurface Laptop UltraでCopilot+ PCという表現を前面に出さなかった理由ではないかと推測している。Copilot+ PCは主にNPUを活用したAI機能を訴求するブランドであるのに対し、RTX Spark搭載機はGPUを活用したより大規模なAIワークロードを想定しているためだ。

従来のCopilot+ PCがローカルAI機能の実行環境として位置付けられてきたのに対し、Surface Laptop Ultraはより高負荷なAIモデルの実行を視野に入れた製品とみられる。このため、Windows LatestはCopilot+ PCというブランドだけでは製品の特徴を十分に表しにくい可能性があると指摘している。

もっとも、MicrosoftがCopilot+ PCという表現を使わなかった理由は明らかにされていない。今回の発表が一時的な表現上の判断なのか、今後のAI PCブランド戦略に関わるものなのかは不明であり、今後のMicrosoftの説明や製品展開を見守る必要がある。