インターネットイニシアティブ(IIJ)は6月2日、NTTデータ、日比谷総合設備とともに、モジュール型エッジデータセンターの社会実装に向けた共同検証を6月から開始すると発表した。AIや高性能計算など処理負荷の高い用途への対応を想定し、都市部や既存データセンター環境といった制約条件下で、高発熱・高密度なAI基盤を導入するための検証を行うという。
検証では、IIJが開発したモジュール型エッジデータセンター「DX edge Cool Cube」を活用する。NTTデータと日比谷総合設備が運営する次世代冷却技術の検証施設「Data Center Trial Field」において、空冷と液冷を組み合わせたハイブリッド冷却構成による実環境での検証を実施する。
背景には、AIの普及にともなう演算需要の急増や消費電力の増大がある。AI基盤を支えるデータセンターの供給不足が課題となる一方、都市部や既存のデータセンター施設では液冷設備の導入に制約があり、高発熱・高密度なIT機器を柔軟に収容できるデジタルインフラの整備が求められているという。また、次世代冷却技術については、実運用を前提とした冷却性能の評価方法や制御・運用手法、既存設備との親和性に関する知見が十分に確立されておらず、実環境での検証が必要とされている。
主な検証内容は、ハイブリッド冷却による高密度環境への対応、モジュール型構成による既存施設への適用性、運用データの可視化と設計指針の確立の3点。GPUを搭載した直接液冷サーバーと、空冷方式のネットワーク機器やストレージ機器が混在する環境を想定し、冷却液分配ユニットとラック近傍に設置する空調設備を組み合わせることで、冷却効率と安定運用の実現性を評価する。
各社の役割は、IIJがモジュール型エッジデータセンターの提供と検証の企画・推進、NTTデータが検証全体の設計とプロジェクト統括、日比谷総合設備が可視化システムの構築、冷却設備の構築および評価を担う。3社は検証結果をもとに技術的知見と運用ノウハウを整理し、都市型データセンターに適したAI基盤の設計および運用モデルの確立を目指すとしている。
なお、「DX edge Cool Cube」は、IIJと河村電器産業が開発した、AI時代に対応したモジュール型エッジデータセンター。高発熱のGPUサーバーに対応し、ラック・電源・冷却を一体化することで、短納期かつ低コストでの導入を実現するとされる。
