【 財務省 】大臣が日米連携の“顔”に 米財務長官との太いパイプ示す

片山さつき財務相が日米連携の”顔”として存在感を高めている。

 5月12日、片山氏は来日したベッセント米財務長官と会談した。ベッセント氏は滞在中、高市早苗首相や茂木敏充外相、赤澤亮正経済産業相などとも相次いで会談したが、片山氏は前日11日夜に日本料理で夕食を共にしながら、米イラン情勢など幅広く意見交換したとされ、ベッセント氏との太いパイプを示した形だ。

 中東情勢を巡っては、対米連携で日本がリーダーシップを発揮しにくい環境にある中、金融市場の安定化や人工知能(AI)への対応など両国の連携強化を確認した意義は大きい。

 12日の片山氏とベッセント氏の会談は和やかなムードでスタート。片山氏が「前回いらっしゃった時は(日経平均株価は)5万円を超えた日だ。今も上昇している」と話すと、ベッセント氏は「米ダウ工業株30種平均も5万ドル。お互いにいい状況だ」と笑顔で応じた。

 会談に先立って、4月末から5月初旬にかけて日本政府・日銀は円安が進む為替市場を踏まえ、大規模な円買い・ドル売りの為替介入を断続的に実施したとされるが、会談後、片山氏は為替動向について「日米間で非常によく連携できていることを確認した」と述べ、介入に関し米国の理解を得ていると示唆した。

 片山氏はベッセント氏の高市首相表敬訪問にも同席。会談後、記者団に米イラン情勢や米中関係への言及があった旨を明らかにしつつ、「非常に良い雰囲気だった」と”解説”した。ベッセント氏来日に伴う一連の日程で片山氏は「外相も兼ねているかのような活躍だった」(官邸筋)という。 12日の夕食会は約2時間、翌日は約35分間会談を行い、片山氏はベッセント氏との相互理解を深めたようだ。

 一方、為替市場では、大規模な円買い介入後も円安基調が続き、市場では「ベッセント氏の真のメッセージは別にあるのでは?」(財務省幹部)との指摘もある。

 ベッセント氏は高市首相との会談後、記者団に対し「(日米財務当局は)緊密に連絡を取り合っていく」としつつ、「強い日本経済のファンダメンタルズが為替レートに反映されるだろう」とも述べた。

 円安と同時に長期金利上昇に伴い、今後日本国債の売り圧力が強まれば、インフレの加速などトランプ米政権を揺るがす可能性がある。11月の米中間選挙を控え、高市首相の「責任ある」積極財政を支える片山氏の正念場は当面続きそうだ。

【「力の行使」による国際秩序変更が意味するもの 】マーケットコンシェルジュ代表・上野泰也