Neowinは5月9日(米国時間)、「Watch how Windows 11's new performance feature makes Start, Outlook, File Explorer faster - Neowin」において、Windows 11に導入予定の高速化手法「低遅延プロファイル(Low Latency Profile)」の実力を検証する最新動画を公開した。
Windows 11が“軽くなる”? 低スペックPC向け新機能「低遅延プロファイル」とはでは、Windows Latestが検証した仮想マシン環境における応答性の向上を伝えた。この環境はWindows 11が動作する最低限の性能しか備えていないこともあり、低遅延プロファイルが最大限にその能力を発揮した。
今回は一般的なPC環境において、体感可能な変化があるのかを検証。その結果、いずれの実験でも応答性の向上が確認された。
低遅延プロファイルとは何か
低遅延プロファイルは、Windows 11に追加予定の高速化機能で、アプリの起動時やスタートメニューを開く際など、急激な負荷上昇が予想される状況下において事前にCPUクロックを最大値に引き上げる機能とされる。クロックを引き上げる時間は短時間(1~3秒)で、消費電力の上昇を抑えつつ動作のもたつきを改善する。
3種類の速度を比較、その結果は?
今回Neowinが公開した動画は合計3件。スタートメニューのコンテキストメニューの表示速度、エクスプローラーの起動速度、Outlookの起動速度を比較している。
スタートメニューのコンテキストメニューを表示する実験では、ほんの僅かではあるが、機能を有効化することで表示速度を向上することがわかる。エクスプローラーの起動実験では、低遅延プロファイルを無効にした場合、起動に1~2秒ほどかかるのに対し、機能を有効にするとアイコンをクリックした直後に起動を完了する様子を確認できる。
Outlookの起動実験ではエクスプローラーほど明確ではないが、画面のレンダリングを開始するまでの時間を約1秒ほど短縮している。レンダリングを開始した後の動作速度には差がみられないことから、レンダリング開始後は双方ともに最大クロックで動作しているものと推測される。
一般的なPCでも起動時間を約1秒短縮
これら実験結果をまとめると、同機能は一般的なPC環境において、起動時間を約1秒ほど改善する機能と言える。数値上の差はそれほど大きくはないが、日常業務で頻繁にアプリを切り替えるユーザーにとって、ストレスの軽減につながる有益な機能と評価できる。
前回の記事では設定アプリなど一部アプリでは高速化を確認できなかったことを伝えた。一方でNeowinは設定アプリでも優れていたと述べ、機能が有効だったことを伝えている。
つまり、環境によっては同じアプリでも高速化できる場合と、そうでない場合があることになる。同機能はCPUクロックを数秒だけ最大値に引き上げる機能のため、ボトルネックがディスクI/Oや通信など、CPU以外にある場合は高速化できないものと推測される。
ハードウェア頼みとの批判は妥当なのか
同機能の存在が明らかになって以降、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS: Social networking service)ではこの取り組みを非難する意見が散見されている。肥大化したWindows 11のコードを改善せず、ハードウェアの機能を利用して力任せに改善したかのように見せかけたとの主張だ。
この主張には一理あるが、非難は適切とは言えない。同機能はmacOSなど、他のオペレーティングシステムに搭載済みの機能であり、オペレーティングシステムの開発者がコンピュータの全能力を駆使してパフォーマンスの改善を試みるのは当然のことだ。これまで搭載されていなかったことのほうが驚きとも言える。
しかしながら、肥大化したコードを改善していないとの主張も理解できる。どちらの優先順位が高いかについてはさまざまな意見があると予想されるが、Microsoftには両面から取り組めるだけの十分な人的資源、人的資源や資金がある。怠けているわけではないだろうが、同社にはコードの最適化にも積極的に取り組むことが望まれている。
