
米穀安定供給確保支援機構は、コメの生産、集荷、卸売、小売の各段階でかかるコストを積み上げて精米換算したところ、5キログラムあたり2816円(2026年4月時点)だったと発表した。各段階で業者の利益は含まれておらず、前年同月比では80円増加している。
同機構がこうした「コスト指標」を公表したのは、取引時の価格交渉において、生産者らに費用の根拠として活用してもらう狙いがある。コスト指標は4月1日に全面施行された食料システム法に基づいて作成されたもので、生産、流通、販売の各団体の委員らでつくる同機構が昨年12月から議論を続けてきた。
コスト指標の作成にあたり、生産段階では平均作付面積(2.27ヘクタールを元に1~3ヘクタールの小規模農家を対象とした。しかし、この階層より生産費が低く、流通量の7割を占める3ヘクタール以上の大規模農家のデータは反映されていないことから、「合理的な根拠がある指標とは言いがたい」との批判が出ている。
これに対し、同機構では「取引における価格を約束するものではない」としており、鈴木憲和農水相も4月7日の記者会見で、「コスト指標の作成は初めての試みで様々な議論があるのは当然だ。まずは進めることが重要だ」と強調した。
農林水産省が公表した3月30日~4月5日のスーパーのコメの平均販売価格(税込み)は、5キログラムで前週より2円(0.1%)安い3933円だった。4週続けて4000円を下回り、直近のピーク時(4416円)から500円近く下がっている。
同機構によると、コメの価格水準を示す3月の指数は、現状では71で前月より3ポイント低く、向こう3カ月の見通しは27と、前月より1ポイント高かった。指数は50を上回ると先高感、下回ると先安感を示す。コメ取引関係者の間では、現状の価格水準は依然として高いものの、今後は価格が低下していくとの見方が根強いことを示している。