【 経済産業省 】核のごみ最終処分地候補に日本の最東端・南鳥島が浮上

原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定で、東京都小笠原村の南鳥島が候補に浮上した。南鳥島は日本の最東端にある「絶海の孤島」。一般住民がおらず、反対運動が起きにくいとして早くも有力視されている。経済産業省は小笠原村の意向を踏まえて調査を進めたい考えだ。

 同省の幹部が小笠原村役場を訪れ、渋谷正昭村長に調査の受け入れを要請した。渋谷村長は「村民や村議会の意見を踏まえながら判断したい」と応じたという。

 南鳥島は小笠原諸島の島。東京から南東に約2000キロメートル離れた太平洋プレート上にある。海上自衛隊の他、国土交通省関東地方整備局と気象庁の施設に職員が駐在しているが、民間人の出入りは限定的だ。

 政府が南鳥島に注目したのは、最終処分地としての選定に反対する住民が少ないと見込んだからだ。小笠原村の住民は、南鳥島から約1200キロ離れた父島や母島に住んでいる。

 また、放射性廃棄物を埋める地下300m以下の地層が、火山や活断層の影響を受けにくいというデータがあることも大きい。島全体を国が保有し、未利用の土地もある。

 一方で、東京からでも船で片道4~5日かかるほど遠く、放射性廃棄物の輸送にも長時間を要する。輸送費も高くなると見込まれる。地上施設の建設に必要とされる敷地が確保できるかも不透明だ。島の面積は約1.5平方㌔㍍しかない。

 周辺の海底では、電気自動車(EV)やスマートフォンに欠かせないレアアース(希土類)を含む堆積物が見つかり、大規模な供給源として期待されている。島の付近での掘削は、処分場としての安全性に影響する恐れがある。

 最終処分地の選定では、南鳥島以外にも北海道寿都町、神恵内村、佐賀県玄海町の名前が挙がるが、初期段階の「文献調査」に留まっている。経産省は南鳥島にこだわらず、さらなる候補地の拡大を目指している。

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