インターネットイニシアティブ(IIJ)は4月17日、企業や組織を横断してデータを安全かつ効率的に流通させる「データスペース」技術を用い、通信事業者が保有する設備情報等データの事業者間流通の実現可能性を4月に検証したと発表した。社会実装例として、サイバーレジリエンス強化に向けた通信事業者間データ流通の実現性を確認したという。

  • 通信事業者間データ連携 検証構成

    通信事業者間データ連携 検証構成

データスペースは、国境や分野を越えたデータ連携を可能にする技術として、欧州をはじめ世界で注目を集めている。日本では経済産業省が主導し、IPA(情報処理推進機構)が「ウラノス・エコシステム」として標準アーキテクチャの整備を進めている。

今回の検証では、高度化するサイバー脅威に対応するため、通信事業者間で設備情報やアラート情報を共有・連携するケースを想定。データスペース技術に、独自のデータマスキング機能などを備えた「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」を組み合わせ、安全かつ効率的なデータ流通が可能かを検証した。データスペース技術には、ウラノス・エコシステムの標準アーキテクチャ「ODS-RAM(Open Data Space Reference Architecture Model)」に準拠したNTTデータ提供の「X-Curia」を採用している。

検証は主に3点について実施。通信事業者のデータ連携要件に照らした機能コンポーネントの充足性確認、IIJクラウドデータプラットフォームサービスを活用したデータ主権を担保した安全なデータ流通の実現性評価、そしてサイバーレジリエンス強化に向けたデータ流通基盤としての有用性評価を行った。

検証の結果、データスペース技術が通信事業者間のデータ共有基盤として有効に機能し、データ主権の確保、相互運用性、安全なデータ転送を同時に満たせることが確認された。

IIJは今後、得られた知見をもとにデータスペースとAIを組み合わせた新たなデータ連携の在り方を検討するとともに、IIJクラウドデータプラットフォームサービスにおけるデータスペース接続機能の正式サービス化も検討していくとしている。