ソフトバンクとSB Intuitionsは11月28日から、国産の大規模言語モデル(LLM)「Sarashina mini」のAPIと接続できるサービス「Sarashina API」を法人向けに提供開始する。
Sarashina mini(サラシナミニ)は、SB Intuitionsが構築した4,600億パラメーター規模の国産LLM「Sarashina」(サラシナ)で培った知見を基に開発した軽量モデル。日本語性能を高め、日本特有の文化や慣習に精通している点を特徴としている。
今回、法人向けに提供するSarashina APIは、AI(人工知能)が自然な文章を作り出すためのAPI(Application Programming Interface)と、文章の意味を理解して関連情報を抽出するAPIのふたつで構成している。
- Chat Completion API:LLMを活用して自然な対話や文書生成を実現するAPI
- Embeddings API:テキストを数値ベクトルに変換して、AIが文章の意味的な関連性や類似性を理解できるようにするAPI
法人ユーザーは、自社のシステムやアプリケーションとSarashina APIを連携させることで、文章の校正や要約をはじめ、レポートや議事録、提案書などの自動生成に活用可能になる。
さらに、社内のナレッジと組み合わせてプログラミングを支援する機能や、人と自然な会話ができる対話型エージェント、複数のAIが協調して問題を解決するマルチエージェントシステムの構築などに活用することで、さまざまな業務効率化が図れるようになる。
今後はコールセンターの自動応答システムや営業支援ツールなど、より高度かつ多様な業務領域でSarashina miniを利用できるよう、さらなる開発を進めていくとしている。
SB Intuitionsは、日本語性能を高めた国産LLMの開発を推進しており、これまで研究者向けに複数のLLMを公開済み。Sarashina miniの商用化に向け、ソフトバンクとSB Intuitionsは、約2万人のソフトバンク社員を対象としたトライアルを2025年6月から実施し、改良を重ねてきた。
ソフトバンクとSB Intuitionsは、今回の法人向け提供を皮切りに、幅広くSarashina miniを利用できるよう展開を進める。さらに、企業や業界に特化した国産LLMの開発にも取り組み、さまざまなニーズに応えるソリューションを提供していく。
