NTTドコモは11月4日、2025年度第2四半期の連結決算を発表した。営業収益は対前年389億円(1.3%)増の3兆327億円、営業利益は同786億円(14.2%)減の4747億円、四半期利益は同492億円(12.7%)減の3398億円と、増収減益となった。

営業収益は、成長分野が引き続き増収となった一方、コンシューマ通信は減収となった。ただし、ドコモMAXによるARPU改善などモバイル通信収入の改善モメンタムは継続しているという。

営業利益は、スマートライフと法人は着実に成長しているが、連結で販促強化費用の増加により対前年減益となった。

  • NTTドコモ 2025年度第2四半期決算 実績

    NTTドコモ 2025年度第2四半期決算 実績

  • セグメント別 営業収益

    セグメント別 営業収益

  • セグメント別 営業利益

    セグメント別 営業利益

コンシューマ:WOWOWとの提携を発表

コンシューマ通信は減収となったが、新プランへの移行促進によりモバイル通信サービス収入の対前年減収幅は縮小した。代表取締役社長 前田義晃氏は、「他社攻勢が強まりMNPはマイナスだが、ポート員ユーザー数は増えている。また、解約数は低水準を維持している。下期は通期のMNPプラスを目指す」と語った。

  • NTTドコモ 代表取締役社長 前田義晃氏 提供:NTTドコモ

    NTTドコモ 代表取締役社長 前田義晃氏 提供:NTTドコモ

また、ドコモMAXは出遅れはあったが、旧プランからの移行6割まで伸びており、契約者数は10月で150万を超えたという。同日、ドコモMAXに関して、WOWOWとのコンテンツ分野における業務提携契約締結、「選べる特典」における「Lemino」「dアニメストア」の追加を発表した。

WOWOWとの提携においては、音楽ライブコンテンツの拡充、超大作オリジナルドラマの制作、人気スポーツコンテンツの充実に向けたコンテンツ分野の共同調達・共同制作・相互提供を行う。提携に基づき提供するコンテンツは、ドコモが運営する映像配信サービスLeminoとWOWOWで視聴可能。

また、2026年2月から、「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」の特典対象サービスに「Lemino」「dアニメストア」を加え、「DAZN for docomo」「NBA docomo」と合わせた4サービスのうち最大2サービスを追加料金なしで利用可能な「選べる特典」を提供する予定。

  • ドコモMAXに関する発表

    ドコモMAXに関する発表

金融事業においては、dカードPLATINUMが100万会員を突破し、かんたん資産運用開始後、新規口座開設数が増大した。今年10月から住信SBIネット銀行が連結子会社となり、同行が新サービスブランド「d NEOBANK」を開始したが、通信・決済等との連携で預金・口座を拡大し、ネット銀行No.1を目指す。

法人:NaaSが成長

法人事業においては、成長領域であるインテグレーション/プラットフォームが順調に伸びた。大企業層は公共・製造・流通業界の需要が増し、中堅・中小層はパッケージソリューションを軸に成長したという。

前田氏は、法人事業が伸びたカギとして、NaaS(Network as a Service)を強みとしたAI-Centricなプラットフォームと業界別/地域・中小DXソリューションを挙げた。

ネットワーク:通信品質向上に向け基地局増設

NTTの決算発表でも言及されていたが、NTTドコモにとって、首都圏を中心とした通信サービスの品質向上が課題となっている。この課題解決に向け5G基地局数を増設しているが、9月末時点で、23年度末比で約1.3倍まで増やしたという。

ただし、「都市部の品質の問題は解決できていない」(前田氏)として、さらなる品質向上に向け、下期は上期比の3倍の基地局を設置する構えだ。そのために、構築手法の多角化などにより、都市部などの基地局設置場所の確保困難なエリアにおいても設置場所を確保したほか、パートナーとの連携により、施工体制の強化やプロセス見直しを完了した。

前田氏は、「基地局を上期比の3倍に増やすことで、他社の品質に匹敵すると考えている。26年度はそれを超えることで、ナンバー1に返り咲きたい」と意気込みを見せていた。