
「AI(人工知能)を用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」─。こうしたミッションを掲げるエクサウィザーズ。創業者の春田氏は住友銀行(現・三井住友銀行)で新規事業の立ち上げなどを経験。ディー・エヌ・エー(DeNA)入社後は横浜DeNAベイスターズの初代オーナーに就任し、2016年にはAIベンチャーを設立。「毎日、目の前のことに愚直に向き合ってきたら、ここまで来た」と語る春田氏の挑戦者魂に迫るーー。
自分たちが主体となって 変化を起こしていく
─ 住友銀行(現・三井住友銀行)、ディー・エヌ・エー(DeNA)を経て、現在はAI(人工知能)の世界で挑戦を続ける春田さんですが、なぜ、今、AIなのか? そこから聞かせてもらえますか。
春田 当社は2016年の創業以来、『AIを用いた社会課題解決を通じて幸せな社会を実現する』というミッションを掲げていまして、お客様に対して、AIを活用した様々なサービスを開発しています。
わたしはDeNAを辞める前から、自分で何をしようかなと考えた時に、いろいろな社会の変化がある中で、ちょうどAIが盛り上がってくる頃でしたから、AIを使った会社を始めたら面白そうだなと考えたのが、会社設立のきっかけでした。
世の中の変化と共に、テクノロジーもどんどん変化してきて、わたしが銀行を飛び出してDeNAへ行ったのは、いわゆるインターネットが盛り上がるタイミングでした。インターネットによって世の中が変わるかもしれないと思ったからです。
それが現実になり、今はAIになっている。AIが登場したことで、世の中がまた変わろうとしている。だったら、自分たちが主体となって変化を起こしていく存在になろう。そう考えたのです。
─ AIによって、いろいろな仕事が取って代わられるかもしれない。今はこういう危機感の伴う時代になりましたね。
春田 ええ。インターネットの登場によって、もちろん、法人ビジネスの世界において大きな影響がありましたけど、圧倒的に影響が大きかったのは個人の世界ですよね。インターネットは、個人の生活を大きく変えました。
ただ、AIは個人の生活にも変化をもたらすと思いますが、個人よりも法人の仕事の仕方が大きく変化すると思います。今までやってきた仕事の過程がガラリと変わり、いろいろなソフトウェアや仕組みがAIに置き換わっていくでしょう。
つまり、今までの価値観が大きく変わるかもしれないし、それこそ、自分たちが携わっているのであれば、それを自分たちが主体的になって変えていこうと。それってとても面白いことだと思うんですよね。
─ 会社設立が2016年ですよね。9年間の手応えというのは、春田さん自身、どのように感じていますか。
春田 手応えという意味では、AIに対してお客様の反応もいいですし、いろいろ試していく中で、すぐにビジネスは生まれました。また、現在は社員も600人近くまで来ましたので、毎日、目の前のことに愚直に向き合ってきたら、ここまで来たという感じですね。