
太平洋クロマグロの漁獲枠が2年ぶりに拡大する。7月の国際会議では日本の要求を軸とする提案が最終局面で合意に至らなかったものの、8月に異例となるやり直しの会議をオンラインで開き、全会一致で決着した。
27年から2年間で、日本や韓国、台湾など太平洋中西部では大型魚(30キログラム以上)の漁獲枠が25%増の1万4836トンとなる。小型魚(300キログラム未満)は資源保護の観点から6%減の4823トンとする。
一方で、米国、メキシコなどの東部では大型・小型の区別なく合計で2%増の7740トンとする。太平洋中西部に関する合意内容は、11月末からバヌアツで開かれる国際会議の年次会合で正式決定する。
クロマグロは太平洋を広く回遊するため、西側は「中西部太平洋まぐろ類委員会」(WCPFC)、東側は「全米熱帯まぐろ類委員会」(IATTC)という2つの地域漁業管理機関が管理している。毎年夏頃に開く合同作業部会で、具体的な措置を検討している。
太平洋クロマグロの資源量は、乱獲により1990年代半ばから長期的な減少傾向が続いていた。2010年には1.2万トンに落ち込んだことから、その後、厳格な漁獲規制が導入され、22年には14.4万トンにまで回復している。
今後は関係国・地域での漁獲枠の配分に焦点が移る。鈴木憲和農水相は、再開の会合が開かれた8月18日の臨時記者会見で「競合している韓国や台湾との間では厳しい交渉が予想される」と語った。
クロマグロは高級すしネタとして海外でも人気が高い。日本の漁獲枠がどれだけ増えるかは、依然として不透明な状況だ。