Neowinは9月25日(現地時間)、「Microsoft announces general availability of Windows ML for developers」において、Microsoftが開発者向けの機械学習モデル実行基盤「Windows ML」の一般提供を開始したことを伝えた。

これによって、開発者は基盤となるハードウェアの種類を気にすることなく、Windows PC向けのAIアプリケーションを構築できるようになる。

ONNX対応や自動EP選択でAI開発を容易に

Windows ML(Windows Machine Learning)は、Microsoftが今年5月に発表したWindows PC向けの機械学習モデル実行基盤。Windows上でAIアプリケーションを開発する場合、従来であれば開発者は環境ごとにランタイムの導入や最適化を行わなければならず、開発環境の複雑化や開発効率の悪化を招く原因になっていた。

Windows MLは、複数のチップセット向けの統一されたフレームワークを提供することによって、この問題を解決する。具体的には、Windows MLでは機械学習モデルの標準形式であるONNX(Open Neural Network Exchange)を使ってモデルを読み込んで実行する。開発者は、TensorFlowやPyTorchなどで学習済みのモデルをONNXに変換することにより、Windowsアプリケーションに簡単に組み込めるようになる。

さらにWindows MLはCPU/GPU/NPUなど、各PCのハードウェア構成に応じて実行プロバイダー(EP: Execution Provider)を自動で選択し、最も効率よく推論を実行する仕組みを備えている。AMD、Intel、NVIDIA、Qualcommの各社がそれぞれ対応EPを提供しており、多様な環境上での高速な推論が可能となる。

  • ハードウェア構成に応じて最適な実行プロバイダーを自動選択する 出典:Microsoft

    ハードウェア構成に応じて最適な実行プロバイダーを自動選択する 出典:Microsoft

Windows App SDKの一部として利用可能

Microsoftはこれまで、Windows MLをプレビュー版として限定公開していたが、今回の一般提供開始によって、開発者はローカルAIモデルを正式に製品アプリケーションに組み込むことが可能になった。

なお、Windows MLを使用するにはWindows 11 バージョン 24H2(ビルド 26100)以降が必要。開発者はWindows App SDKの一部としてWindows MLを利用できる。