Qualcomm Technologiesは9月24日(現地時間)、「Snapdragon Summit 2025」において、Windows PC向けのARMベースのSoC「Snapdragon X2 Elite」と「Snapdragon X2 Elite Extrem」を発表した。Snapdragon Xシリーズの後継となるこれらの製品は、パフォーマンス、バッテリー駆動時間、AI処理能力などにおいて、従来製品から飛躍的な進化を遂げているという。

  • Snapdragon X2シリーズを発表 出典:Qualcomm Technologies

    Snapdragon X2シリーズを発表 出典:Qualcomm Technologies

X2 Eliteは旧世代比で約31%性能向上、消費電力は大幅削減

X2 Eliteは、最大12のプライムコアを搭載し、12コア構成と18コア構成の両方に対応する。最大4.7GHzのブースト周波数を備え、同等電力条件下における性能は旧世代比で約31%向上した一方で、消費電力は約43%削減している。

GPU部分でも新世代のアーキテクチャが導入され、前世代のAdreno GPUと比較して、ワットあたりの性能と電力効率が2.3倍になるという。NPU(ニューラルプロセッシングユニット)も80TOPS という演算能力を持ち、より複雑で高負荷なAIワークロードにも対応できる。これはMicrosoftが推進するCopilot+ PCの性能を最大限に発揮できることを意味する。

X2 Elite ExtremeはWindowsで最速かつ最も電力効率の高いパフォーマンスを提供

X2 Elite Extremeは、エージェント型AIや、計算負荷の高いデータ分析、プロフェッショナルなメディア編集、科学研究といった、高度な演算能力が求められる超プレミアムPC向けの設計になっている。プライムコアは12個、合計コア数は18で、ブースト周波数は最大5.0GHzと、X2 Eliteをさらに上回る。メモリー転送速度や帯域幅についてもきわめて大容量の設計になっており、キャッシュ容量やバス幅も強化されている。

X2 Elite Extremeは、GPUとNPUに関しては標準のX2 Eliteと多くのスペックを共有してる。ただしCPUはISO電力において競合製品よりも最大75%高いパフォーマンスを誇るという。Qualcommは、「第3世代Qualcomm Oryon CPUを搭載したSnapdragon X2 Elite Extremeは、Windowsで最速かつ最も電力効率の高いパフォーマンスを提供する」と説明している。

これらの新しいX2 Eliteチップは、薄型軽量ノートパソコン、ワークステーショングレードのノートパソコン、ミニPC、Surface Proのような2-in-1デバイスなど、幅広いWindowsデバイスに搭載されることが期待されている。X2 Eliteを搭載した最初のデバイスは、2026年上半期に発売される予定とのこと。Microsoftは、第12世代Surface Proと第8世代Surface Laptopのアップデート版を来年中にリリースする予定だが、これらの次世代PCにもX2 Eliteシリーズが搭載される見込みである。