1000Vかつ3225サイズながら静電容量22nFを実現

TDKは、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の低抵抗タイプ樹脂電極品「CNシリーズ」のC0G特性1000V品において3225サイズ(3.2mm×2.5mm×2.5mm)ながら静電容量を従来品比で約3倍となる22nFとした製品を開発し、量産を開始したことを発表した。

  • 1000V品3225サイズで22nFを実現したMLCCのイメージ

    1000V品3225サイズで22nFを実現したMLCCのイメージ (出所:TDK)

近年、LLC共振回路やワイヤレス給電などの共振用途で、共振用コンデンサを直並列に複数配置して使用する事例が増加しており、その対応として高電圧かつ大容量のコンデンサが求められるようになっている。また、アプリケーションの信頼性を高めるために、外部応力によるクラック発生の抑制として、樹脂電極品の活用が期待されているが、抵抗値が増加するという課題があったとい。

樹脂電極ながら通常端子と同等の低抵抗を実現

同社では、そうしたニーズと課題を踏まえ、樹脂電極の構造を最適化し、抵抗値を低減した低抵抗タイプ樹脂電極「CNシリーズ」の高耐圧C0G特性品を、製品・工程設計の最適化により開発・製品化することに成功したとする。具体的には、独自の端子構造により、樹脂電極品で通常端子品と同等の低抵抗を実現したとする。

また、低誘電率系であるC0G特性であるため、低損失および温度や電圧変化時の静電容量安定性に加え、樹脂電極品の外部応力に対する高信頼性と損失低減を両立でき、共振用やスナバ用コンデンサに向くとする。

なお、車載向けならびに一般用途向けに静電容量許容差が±2%品および±5%品をそれぞれ用意。いずれもサンプルの供給を開始しており、価格は70円~。生産予定は量産初期の段階で月産100万個としている。同社では、今後もさらなるラインナップの拡充を図っておくことで、顧客の要望に応えていきたいとしている。