NECは6月10日、製造業を中心とした企業の製品カーボンフットプリント(CFP)算定を支援する新サービス「NEC CFP Management」を提供開始したことを発表した。同サービスは、初期アセスメントを起点とし、1製品でのPoC、そして多製品への本格展開や継続運用へと段階的に支援を拡張し、持続可能なサプライチェーンの実現に貢献していく。
開発の背景
気候変動対策の一環として、企業には温室効果ガス(GHG)排出量の把握と削減が求められている。とりわけ製造業では、製品単位のCFP算定が、国際的な規制や調達要件として明文化されはじめており、対応が求められる局面に差し掛かっている。
しかし、制度要件の理解や社内外データの収集・整備、業務設計やシステム整合といった課題により、多くの企業が算定の着手に至っていない課題があった。
そこでNECは、グループ内でのCFP算定実証で得た知見を活かし、実行可能性と業務フィットを両立した「NEC CFP Management」を開発した。
サービスの概要
NEC CFP Managementは、企業の導入段階に応じて、次の3つのステップでCFP算定の定着を支援する。
初期アセスメントのステップ1では、CFP算定に向けた準備状況を短期間で診断する。算定対象の特定や制度要件、データ可用性、実行のボトルネックなどを明確化する。
ステップ2となるPoC(1製品でのPDCA試行)では、選定された1製品を対象に、PDCAサイクルを簡易的に1周実行する。算定方法の妥当性や、システム・業務との整合を検証していく。
そしてステップ3の本格導入(多製品展開・PDCA運用)では、PoCで得られた知見をもとに、算定対象製品を拡大し、本格的な運用フェーズへと移行する。
企業におけるPDCA運用の自走化に向けて、対象製品群への横展開や算定手順の標準化などを通じて、算定業務の定着と継続的な改善の促進を支援するという。
費用としては、初期アセスメントは20~50万円、PoC支援と本格導入支援は個別見積となっている。
なお、NECは今後、NEC CFP Managementの拡張として、「サプライヤーデータ収集支援」「社内システム連携支援」「社内体制構築支援」「検証対応支援」「削減・開示対応支援」といった支援領域の追加を検討していく構えだという。